■女性だからこその「しんどさ」と向き合い方

トイレ問題は釣りを楽しむ女性にとっては永遠の問題

 多くの女性が口にしたのは、やはり「トイレ問題」である。茂みがない場所では本当に困るようで、男性と釣行する際にも気を遣わせてしまうのが悩みという声も。また、ウェアのサイズ展開が少ないことも悩みの種のようだ。

 毒魚への対応や重い荷物の運搬といった部分でも苦労は尽きない。「男性の体だったら、もっと釣りの幅が広がっていたかも」と冗談まじりに語る女性もいた。

 紫外線対策にはとくにこだわりが見られた。日焼け止めを塗るのはもちろん、マスク着用や飲む日焼け止めの活用など、万全の装備で臨んでいるようだ。ファッションだけでなく、体調管理の一環として重要視されているのが印象的であった。

■安全と快適さを両立させる知恵

安全でかつ、無理をしない。女性同士で釣りに出かける場合は特に注意が必要だ

 女性同士で釣りに出かける際も、安全第一は基本である。「少し無理をしないと行けない場所」には行かない、「堤防では2歩下がって釣る」など、自分の身を守るためのルールが徹底されていた。さらに、男性からの不用意な接触への対応も明確にしており、「目を見開いて大声で応戦」「迷わず場所移動」など、毅然とした姿勢が印象的であった。

 釣り女子の皆さんの多くは「釣り=退屈」というイメージを持っていたが、実際は全く逆。川の流れや地形を読み、ルアーを操る時間は想像以上に頭と体を使い、飽きる暇もないという。「釣り具は高い」という先入観も、始めてみれば意外とそうでもない。漁港や渓流では、数千円から始められる。ロッドもシーバスロッド1本あれば応用が利くという声もあった。

海、川、湖など、場所が変われば釣り方、釣れる魚が変わる。ぜひ色々な場面で楽しんでほしい

 もちろん、トイレや紫外線、荷物の重さなど、女性ならではの課題はある。だが、「慣れれば大丈夫」「無理をしないスタイルを選べばよい」というアドバイスが多く寄せられた。

 女性が釣りに関わることで、釣り場の雰囲気や設備が変わっていく可能性もある。始める理由は何でもいい。「楽しかった」「もっと早く知りたかった」と感じた人が多いこの趣味。興味があるなら、まずは一度やってみる価値はあるのでは。

●協力いただいた釣り女子のみなさま

Nao Suzuki(ちぇぷ子)/@chepuko_fishing
Maiko/@maimy1211
中村明美さん