釣り女子はただ魚を釣っているだけではない。釣り場での人間関係、道具へのこだわり、体調や紫外線対策、安全への配慮、SNSとの向き合い方など、釣りの「外側」にはさまざまな思考と努力が詰まっている。
後編では、釣り場での人付き合いや気遣い、安全対策、そして女性ならではの「しんどさ」について深掘りしていく。
■釣り場での人間関係と不要なモヤモヤ

釣りを楽しむ中で、男性との関係でモヤモヤを感じた経験も少なくない。たとえば、単なる友人関係と思っていた相手から恋愛感情を持たれてしまい、気まずくなったケースもある。
また、釣り場での理不尽な出来事も。朝早くから入っていた磯に対して「ここは危ない」と声をかけられ場所を空けたが、その直後にその男性が堂々と釣りを始めたという。経験の少なさから従ってしまったことに後悔は残るが、「散々ジグやルアーを通した後だったので、後から入っても釣れなかったはず」と前向きに受け止める姿勢は潔い。

SNS上での嫌な経験も語られた。「もっと肌を出したら?」といったDMが届いたことをきっかけに、自撮りは控え、魚中心の投稿へとシフト。すると同じように真面目に釣りを楽しむフォロワーが増え、今では釣り仲間との交流の場になっているという。
■道具やファッションへのこだわり

「映え」を意識するかどうかは人それぞれだが、自分らしいカラーやデザインを大切にするという声は多い。緑が好きでウェアからロッド、ネットまで統一している女性は、「お気に入りの道具に囲まれていると気分が上がる」と語る。一方で、「目立つ色で夜間の安全を確保」「機能性最優先でデザインは二の次」という実用派も。とくにUVカットや防水、防風性能のあるウェアは必須であり、ワークマンやユニクロといったファストブランドを上手く活用している例も見られた。
一方で、ネットやタックルは、大物に備えて信頼できる高品質なものを選ぶ傾向にある。自分の体力では力任せにキャッチできない分、確実に魚を受け止められる道具を重視していることがわかる。