■本コースのハイライト、 富士山の絶景が待つ稜線へ!

景色を楽しみながら歩ける雷岩から大菩薩峠へと続く稜線

●上日川峠から福ちゃん荘へ。静かな森のアプローチ

 上日川峠に車を停めると、目と鼻の先に趣のある建物のロッヂ長兵衛が見える。大菩薩嶺登山の主要拠点として、宿泊客も受け入れている山小屋だ。

 ロッヂ長兵衛を過ぎると、ゆるやかな登山道を15分ほど歩き、福ちゃん荘に到着する。こちらが天皇陛下が立ち寄られた有名な山小屋。下山後に名物のほうとうや馬刺しを味わうのも一興だ。

 さて、福ちゃん荘から先は、本格的な登山道の始まりだ。唐松尾根を通って雷岩を目指す。登山道は整備されており安心して登れるが、ときおり傾斜が急なところも出てくるので、焦らずゆっくりと進んでいこう。

 福ちゃん荘を出発して1時間10分。稜線の目印となる雷岩(かみなりいわ)に到着だ。振り返ればそこには、雄大な富士山が聳えており、南アルプスの山々も見渡せる。

●雷岩から大菩薩嶺、そして大菩薩峠へと続く富士山を望む絶景稜線

 雷岩からは、まず大菩薩嶺山頂を目指す。日本百名山の頂を踏みに行こう。標高は2,057mあるが、残念ながら山頂からは景色を望むことは叶わない。山頂標柱とともに記念写真を撮ったら、雷岩まで引き返そう。

 さて、雷岩まで戻ってきたらいよいよ本コースのハイライト、大菩薩峠へと通じる稜線歩きの始まりだ。稜線沿いの登山道は、右手に富士山を従えて歩いているような気にさえさせてくれる。甲府盆地や南アルプス、周囲の山々の絶景も見渡せて、飽きることなく稜線歩きを楽しめるだろう。

 登山道の途中、賽の河原(さいのかわら)と呼ばれる場所がある。小石を積み上げてできた石の山が印象的で、歴史を感じさせる雰囲気が漂う。やがて、稜線の先に山小屋の屋根が見えてくる。介山荘(かいざんそう)だ。

●絶景を堪能し、大菩薩峠から福ちゃん荘へ下山

 雷岩から続く稜線のゴールは大菩薩峠だ。振り返れば、ここまで歩いてきた道のりがくっきりと見える。大菩薩峠には、介山荘という休憩や食事がとれる山小屋がある。ここまでの絶景に思いを馳せながら一休みしていこう。

 介山荘から先は、ゆるやかな下り坂が続き、福ちゃん荘へとたどり着く。

 大菩薩嶺は、整備された登山道と富士山を望む絶景が魅力の山。初めての百名山でも安心して登ることができる山のひとつだ。行動時間も4時間程度なので日帰りにも最適である。

 ぜひこの夏、日本百名山・大菩薩嶺の登山を楽しんでほしい。

 

●【MAP】上日川駐車場

●【MAP】福ちゃん荘

●【MAP】大菩薩嶺

●【MAP】大菩薩峠(介山荘)