本格的な春の訪れとなる4月は、登れる山も多くなってくるため、いよいよ始まる登山シーズンにワクワクしている人も多いことだろう。日本百名山「大菩薩嶺(だいぼさつれい・標高2,057m)」もその一つで、大菩薩嶺への最短ルートになる登山口「上日川峠(かみひかわとうげ)」は冬季通行止めになるが、今年は予定よりも早く、令和7年4月15日(金) 15時に解除された。
今回は林道の開通とともに訪れやすくなる大菩薩嶺の周回ルートを紹介したい。
■稜線歩きと絶景を楽しみたい「日本百名山・大菩薩嶺」 所要時間は約4時間、森を抜けて稜線へ

大菩薩嶺は山梨県東部にある大菩薩連嶺(だいぼさつれんれい)の主峰で、日本百名山に選定されているほか、花の百名山や山梨百名山、関東百山、甲州百山などに名を連ねている。
紹介する上日川峠からのルートは約4時間で周回でき、午前中に登山口を出発すれば、日暮れまでには下山することが可能だ。
標高2,000mを超える山だが、危険箇所は少なく、標高1,584m地点にある上日川峠は標高差500mほどで歩きやすい。
上日川峠を出発すると、山小屋「福ちゃん荘」までは樹林帯の緩やかな登りとなる。登山道の横に車の通れる車道が並走しており、どちらを歩いてもいい。30分ほどで福ちゃん荘に到着できる。

大菩薩嶺へと向かうコースは、唐松尾根を利用するルートと大菩薩峠を経由する2コースがある。そのどちらでも福ちゃん荘は分岐点になっている。今回は稜線からの景色を堪能しつつ向かう前者のルートを紹介したい。
最短で大菩薩嶺を目指すなら唐松尾根を利用する方が早いが、勾配が急で体力を要する。体力に自信のない方は勾配が緩やかで歩きやすい大菩薩峠からの周回ルートをおすすめする。
福ちゃん荘から大菩薩峠までは約1時間、車が一台通れるほどの登山道で、危険箇所もなく安心して歩くことができる。

4月の大菩薩嶺はまだ春がようやく訪れたばかり。新緑の季節はもう少し先だが、日中は暖かく、野鳥の鳴き声が賑やかで歩いていて気持ちがよかった。
山の木々が少なくなってくると、小屋が見えてくる。介山荘(かいざんそう)は大菩薩峠に建つ山小屋だ。大菩薩峠からの見晴らしはよく、富士山や甲府の街並みを一望できる。大菩薩峠でしっかりと休憩をとり、呼吸を整えてからこのあとの稜線歩きにのぞみたい。