■山小屋の経営を継続していくための支援を

たとえ営業ができなくても、山小屋を維持管理していくためには多くの手間と費用がかかる。特に山深い黒部エリアでは、常に人が入っていないと設備が傷みやすく、動物や昆虫も入り込んでしまう。2年連続で収入源がなくなった黒部奥山エリアの山小屋の運営継続が、大変厳しい状況下にあることは想像に難くない。

そこで、6軒の山小屋で運営する黒部観光旅館組合が立ち上げたのが、「欅平・鐘釣山小屋支援プロジェクト」。クラウドファンディングを通して、今後も山小屋の経営を継続していくための支援を募っている。集まった資金は山小屋施設の維持管理、従業員の人件費、周辺の登山道整備に使われる。期間は6月15日まで。

支援は3,000円から。返礼品にはオリジナルステッカーのほか、モンベル社の高機能TシャツをベースにしたオリジナルデザインTシャツ、営業再開時に使えるクーポンなどが用意されている。

ちなみに、より詳しい現在の情報は「阿曽原温泉小屋」のHP→登山情報にて確認できる。
■周辺の登山道整備や救助の拠点も担っている

黒部奥山の山小屋は、宿泊場所としての機能はもちろん、周辺の登山道整備や救助の拠点となるなど、エリアにとってなくてはならない役割を担っている。水平歩道や下ノ廊下、雲切新道を経由して剱岳や立山へと抜けるルートなども彼らの存在なしでは成り立たない。
現在は、営業再開がいつになるか先の見えない状況が続いている。山小屋の皆さんには、未来に希望を持って踏ん張ってもらうためにも、我々ができる支援を届けたい。