岐阜県飛騨地方、標高の高いところでも日に日に緑が濃くなってきています。雪解けが進み、いっときは水勢を増していた流れはだいぶ落ち着いてきました。カゲロウたちも盛んに飛び交いだした渓へフライフィシングに出かけてきました。
■春から初夏へ、新緑まぶしい飛騨の渓

萌葱色の山肌が徐々に色濃くなってきており、見ごろとなったヤマザクラがピンクの差し色を加えています。見上げれば乗鞍岳や御嶽山は数日前に降った雪が残雪と混ざって輝いていますが、ずいぶん雪の量が減っているようです。
入渓したのは標高1,400mで正午前の気温は20℃、水温は10.7℃でした。日差しもあって暖かく、ウェダーを履かなくても釣り上がることができそうで、ずいぶんと悩みました。
カゲロウやトビケラ、カワゲラなどの水生昆虫たちも成虫になって川面を飛び交っていました。カゲロウは英語で“mayfly”と表現されますが、まさに季節感あふれる言葉ですね。
■出だしから好調! 高活性のイワナたち

果たして魚たちの反応はあるのか、半信半疑で釣り始めました。並行する2つの流れの間のヨレ、いきなり水面が割れ小ぶりのイワナが飛び出してくれました。珍しく出だしから好調で、つい気持ちがうわずってしまいます。
さらに釣り上がるほど魚たちの反応は良くなっていきます。

岩陰の澱みにそっとドライフライを浮かべていると数秒後、ふらふらと良型のイワナが顔を出しました。興味深そうにしていますが、どうもお気に召さないようでしばらくフライの周辺をグルグルと回ってから、何か思い出したかのように流心へと泳ぎ去ってしまいました。

ちょっとした水たまりのようなところにも、まるで日向ぼっこをするようにフラフラと浮いているイワナがいます。ロッドを片手にそんな光景を見ているだけで満たされたような気分です。