■3年続けてお詣りするとお金に困らなくなる!?

金華山を語るうえで、忘れてはならない話題がある。それは「3年続けてお詣りするとお金に困らない」という言い伝え。古より、“鉱脈や金脈の神さま”こと金山毘古神(かなやまびこのかみ)と金山毘売神(かなやまびめのかみ)が祀られる神の島で、鉄などの金属や金銀といった地球の恵みに対する信仰の象徴でもあるのだ。金属や鉄鋼を扱う事業者はもちろん、農具を用いる農業従事者、工具を用いる大工さんからの尊崇はとても厚い。
東北はもちろん、親潮でつながる南関東の沿岸部に「講」が多いのも特徴のひとつ。金華山には、水辺に祀られることの多い宗像の女神・市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)と同一視される弁財天が降臨した伝説まであり、海上安全や大漁祈願の対象になっている。巳年の大祭が特別なものとされるのは、蛇が弁財天の遣いであることが由来だ。

さらに、宮城県ことかつての陸奥国には産金の伝承もある。黄金を必要とする奈良の廬舎那仏(るしゃなぶつ)の建立において、聖武天皇にまとまった金を献上したという、決定的な役割を果たしたのだ。そんな歴史的ないきさつがあって、後世の民衆から「金」に対する信仰が生まれたのだと、勝手ながら想像する。
ポイントは、お金持ちになるということではなく、お金に困らないということ。正直に言えば、ぼくが毎年のように島に渡る動機のひとつでもある。ご利益のほどは、読者のみなさんの想像にお任せしよう。なお、ぼくはもちろん今年も5月に金華山へ渡る予定だ。
<低山トラベラー厳選。須磨アルプス周辺の立ち寄りスポット>
【ご利益】3年続けてお詣りしたい「金華山黄金山神社」
【お籠り】神社に宿泊して島散策するのがぼくの鉄板プラン
【寄り道】石巻、女川、南三陸で海鮮と温泉を楽しむ
【要注意】日帰りで島に渡る場合は、船の時間に注意のこと!
【二所詣で】同じ宮城県の涌谷に鎮座する「黄金山神社」も素晴らしい!