■ケンカが強いペンギンを2種類ご紹介
ところでペンギンは世界に18種類いるそうですが、どのペンギンが強いのでしょうか。住んでいる環境や個体ごとの性格もあり一概には言えないものの、あくまでも予想で「ケンカが強そうなペンギン」と「攻撃的なペンギン」について、山口さんに教えてもらいました。
■大きさで圧倒する「キングペンギン」と小さいのに強い「コガタペンギン」
「体の大きいペンギンはやはり強いでしょうね」と山口さん。
長崎ペンギン水族館で体の大きいペンギンというとキングペンギンがいます。
「キングペンギンの性格はおだやかですが、体が大きいので、本気でケンカしたらやっぱり強いのではないでしょうか。フリッパーで叩かれたら、相当痛いと思います」(山口さん)。
一方、一番小さいコガタペンギンもなかなか攻撃的なのだとか。
「油断するとフリッパーでぺしっとやられます(笑)」(山口さん)。
コガタペンギンはオーストラリアなどでも会えることがあるそうなので、いざというときはお気をつけください!

【DATA】
キングペンギン
分類 ペンギン目ペンギン科オウサマペンギン属
分布 南インド洋、南大西洋、南極海の島々

【DATA】
コガタペンギン
分類 ペンギン目ペンギン科コガタペンギン属
分布 オーストラリア、ニュージーランド
■ケンカ上等なビジュアル系イワトビペンギン
気が強くてケンカっ早いペンギンとしてはキタイワトビペンギンとミナミイワトビペンギンがいます。両者とも目の上の黄色くて長い羽根が特徴で、頭頂の羽がピンピンと立ったとてもきれいなビジュアル系ペンギンですが、意外にも短気なのだとか。
「個体差はあるものの、気性が荒いペンギンだと言えますね。巣を守ろうとする意識が強く、縄張りを荒らされそうになるとすごく怒ります」(山口さん)。
ミナミイワトビペンギンとキタイワトビペンギンはともに、イワトビペンギンの亜種になります。黄色い冠羽が長いのがキタイワトビペンギン、短いのがミナミイワトビペンギンです。
一般的にペンギンはヨチヨチと歩く姿が愛らしいですが、イワトビペンギンは岩の上をピョンピョンと飛び跳ねながら移動することからこの名が付きました。見るからに活発な印象のペンギンなので、ぜひゆっくり観察してみてください。

【DATA】
イワトビペンギン
分類 ペンギン目ペンギン科マカロニペンギン属
分布 南極大陸周辺の島々
ヨチヨチと歩いて、おっとりしているように見えるペンギンですが、実はとても活発な生物です。ぜひ一度「やる気」がありそうな目をしているペンギンにも注目してみてください。
長崎ペンギン水族館では、シーカヤックの体験や、自然を再現したビオトープ散策も好評です。世界的にも珍しいペンギンの姿と、アクティビティを楽しみに行ってみては?
(PHOTO:一般財団法人長崎ロープウェイ・水族館 長崎ペンギン水族館)
【取材協力】
長崎ペンギン水族館
長崎県長崎市宿町3-16
https://penguin-aqua.jp/
山口 あゆ美(やまぐち あゆみ)
1999年、長崎県出身。幼いころから海の生き物が好きで水族館で働くことを目標にしてきた。2022年7月に一般財団法人長崎ロープウェイ・水族館 長崎ペンギン水族館に入社。現在は、マゼランペンギン、ケープペンギン、コガタペンギンを担当。
●【MAP】長崎ペンギン水族館