豊富な知識と経験を持ち、日々たくさんの登山やキャンプ道具と接しているアウトドアショップの店員さんに、いま注目の製品を紹介していただくシリーズ。今回は、「WILD-1 ゆめが丘ソラトス店」のキャンプ担当、中山裕麻さんに「防災にも役立つアウトドアアイテム」をテーマに「ヘッドライト」のおすすめを挙げていただきました。

■両手を自由に使えるのが、ヘッドライトのメリット

 キャンプや登山などで夜間に活動する場合は、ヘッドライトを使うのが便利です。ハンディ型のライトもありますが、頭部に取り付けるヘッドライトのほうが、動きやすさを考えると断然有利です。

 日の出前から頂上を目指したり、何かの作業をする際に手元を照らしたり、トイレに行ったりなど、両手があけられることのメリットはとても大きいですね。そんなヘッドライトは、停電などで電気が使えなくなったときにも大変役立ちます。

 「防災を考えるなら、ヘッドライトやランタンといった照明機器の電源は、乾電池式が断然おすすめです」と中山さん。さまざまな製品がありますが、イチ推しは、モンベルの「コンパクトヘッドランプ」です。

電池式のモンベル「コンパクトヘッドランプ」

■電源が単3形×1本だからとても軽くてコンパクト

 この「コンパクトヘッドランプ」 は、単3形乾電池×1本で使える、とてもシンプルなモデルです。「単3形1本だけなので、電池込みでも約69gと軽く、装着していてもまったく負担になりません」(中山さん)

約69gと軽いので装着していても負担にならない

 乾電池は、何と言っても入手しやすくて、手軽に使えるのが一番のメリット。充電式だとバッテリーを充電しなければなりませんが、乾電池式なら電池を入れ替えればOK。もちろん、乾電池を常備しておくことが基本ですが、近くの売店で買えるので安心です。

単3形電池が1本あれば使える

 電池の本数が少ないことで、軽いのと同時にコンパクトさも実現しています。バッグの中やポケットにサッとしまえて、サッと取り出せる扱いやすさは大きなメリットです。

■緊急時に役立つ「点滅」機能も備えている

 電源ボタンは、誤操作防止のため、点灯させるときは2度押しが必要です。点灯モードは、「電球色」→「メインライト(白色)LOW」→「メインライト(白色)HIGH」→「点滅」とスイッチを押すたびに切り替わります。「点滅」は、緊急時に自分の居場所を知らせるのに役立ちます。

点灯させるときはボタンを2度押しする
向かって右側が電球色(点灯中)。左側が白色

 明るさは最大で60lm(メインライトHIGH時)と、それほど大きくない数値で「登山で使うには少し物足りませんが、非常時に手軽に使うという意味では十分な明るさだと思います」(中山さん)

最大で60lmと、十分な明るさを確保している

 照射時間は、電球色で約115時間、メインライトLOWで約72時間、メインライトHIGHで約27時間となっています。1日6時間程度使っていたとしても、メインライトLOWで10日間程度は持つ計算です。