豊富な知識と経験を持ち、日々たくさんの登山やキャンプ道具と接しているアウトドアショップの店員さんに、いま注目の製品を紹介していただくシリーズ。今回は、石井スポーツ ヨドバシ新宿西口店の栗山大輔さんに「寒暖差が大きい季節に快適な睡眠を取る」をテーマに、おすすめアイテムを選んでいただきました。

■寒さに負けない性能と快適性を備えたシュラフを選びたい

 春の登山やキャンプでは、昼間は暖かく快適に過ごせるのに、夕方以降冷え込むことも少なくありません。特に、夜は寒くてテントでは安眠できないなんて事態も起こりえます。

 暖かくなったからといって油断は禁物。睡眠中に寒い思いをすると体調を崩しかねないので、テント内での装備についてもしっかりと考えておきたいですね。

 まず、一番に意識すべきなのがシュラフです。快適な睡眠が取れるかどうかを左右する重要なアイテムです。「寒さにも耐えられる性能と寝心地のよさ、収納性をしっかり確認しましょう」(栗山さん)

快適に眠れるシュラフを選びたい

■使い方に合わせて「快適温度」と「使用可能温度」をチェック

 注目のシュラフとして栗山さんが挙げてくれたのが、モンベルの「シームレス ダウンハガー800 #0」と「シームレス ダウンハガー800 #1」です。

モンベルの「シームレス ダウンハガー800 #1」

 「シュラフを選ぶときは、どんな場面で使うことが多いのか、また、自分の耐寒能力(寒がりかどうか)などを見極めて選ぶことが大切です」と栗山さん。そこで着目すべきは、「快適温度」と「使用可能温度」です。快適温度は「コンフォート」とも呼ばれ、シュラフの中でリラックスして寝られる温度を表しています。一方の使用可能温度は「リミット」とも呼ばれ、一般的な成人男性が耐えられるであろう温度を表しています。

 「#0」は、快適温度がマイナス6℃で使用可能温度がマイナス13℃、「#1」は、快適温度がマイナス3℃で使用可能温度がマイナス10℃となっていて、どちらのモデルも寒さに十分対応できる性能を持っています。「3~4月の季節なら#1がおすすめですが、寒がりな人とか、かなり寒い山に行く機会があるなら、#0を選んでもいいでしょう」(栗山さん)

「シームレス ダウンハガー800 #1」は快適温度がマイナス3℃で、使用可能温度がマイナス10℃