■想像よりも2倍おいしいスープ

1缶の缶汁で1人分のスープが作れる

 缶汁を器に入れて、熱湯を加えて倍に薄めると、それだけでサバのスープになる。「何じゃそりゃ?」と思った人は、ぜひ試してほしい。きっと想像しているよりも2倍はおいしいことを保証する。

 なぜなら、サバ缶の缶汁にはサバの旨味が溶け込んでいるのだ。サバ節から取ったダシ汁のように上品な味がするし、ほどよく塩味まで付いている。仕上げに炒りゴマを加えると香ばしさが出て、モアベターであります。

■豚キムチならぬサバキムチ

サバ水煮(食塩不使用)とキムチの組み合わせ

 次の料理は、最近台頭してきた「食塩不使用」のサバ水煮缶とキムチの組み合わせだ。食塩不使用というだけあって、味付けのための塩はまったく使われていない。なので、料理が仕上がったときの塩分量、というかしょっぱさを自在にコントロール出来る利点がある。

 一方のキムチも、まことに偉大な存在である。乳酸発酵を経たことで唐辛子の辛味はマイルドになり、複雑な酸味と相まって、たいていの食材を受け入れてしまう。豚コマを使った豚キムチはメジャーな料理だが、それをサバ缶に変えたサバキムチも、豚コマに負けないくらいおいしい。

■フレッシュなキムチと古漬けのキムチを使い分け

食塩不使用のサバ水煮缶とキムチを和える

 かくのごとし。サバは缶汁を切り、食べやすい大きさにカットしてからキムチと和えれば缶成だ。キムチがまだフレッシュな状態で、辛味やら塩気がはっきりしている場合はとくに美味しい。

和えてから炒めた場合。旬の菜花も加えた

 もし乳酸発酵が進んだキムチ(古漬け)があるのなら、サバと和えてからゴマ油で炒めると別格のおいしさになる。発酵によって増した酸味が、熱を通すことでうまみに変化するのだ。旬の野菜(今回は菜花を使用)も加えれば季節感が生まれて、ワンランク上の料理になりますぞ。