■奥多摩・御前山で美しい雪景色と静かな山歩きを満喫!
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●奥多摩湖より、起伏のある山道を進み指沢山へ
奥多摩湖は、東京都西多摩郡奥多摩町原に位置する人造湖。周辺一帯は秩父多摩国立公園として保護されている。
また、豊かな水をたたえる奥多摩湖は、ハイカーにとってさまざまな山への登山口として親しまれている。代表的なものは、鷹ノ巣山(たかのすやま)や大岳山などで、いずれも関東百名山に名を連ねる名山だ。
御前山の登山口は、奥多摩湖のダム堤防沿いに舗装路を越えたところにある。「奥多摩湖いこいの路入口」の標識に沿って進もう。山中に入り、落ち葉に覆われた登山道を進むと間もなく、さきほど出発した奥多摩湖と、周囲の山々の展望が広がる。
スタートから1時間半ほどで、コース途中にある指沢山(さすざわやま・標高940m ※サス沢山とも呼ばれる)に到着する。なだらかな傾斜と急登とが入り混じった登りが続くので、息を切らさない程度のゆっくりした歩調を意識し、体を温めるといい。指沢山山頂は景色こそないが、木漏れ日の差す明るい頂上なので休憩していこう。
●指沢山から惣岳山を経て奥多摩三山のひとつ、御前山山頂を目指す
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指沢山で体力を回復させたら、御前山を目指して出発だ。次の目標地点である惣岳山(そうがくざん・標高1,348m)までは、尾根沿いの道を1時間ほど進む。惣岳山から御前山にかけては登り返しはなく、そのまま御前山へと続く登山道が続く。
2月頃ともなれば、この尾根道では積雪が見られる。なだらかな山道を白い雪が包み込むさまは美しく、サクサクと音を立てて歩くのも楽しい。惣岳山と御前山の間は、標高差こそそれほどではないが、凍結している箇所も多いので、軽アイゼンを携行するなど、対策は万全にしておくこと。雪が足元を飾る冬登山のおもしろさを、装備を整えて味わってほしい。
登山開始から、およそ3時間で御前山山頂に到着する。御前山の山頂は景観に優れ、南面に広がる富士山と、 丹沢山地や南アルプスの峰々まで見渡せる。山頂にはベンチが設置されており、昼食休憩にも最適だ。ただし、2月の山頂は風が冷たいので、防寒着を忘れずに持参してほしい。
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●絶景を堪能したら、奥多摩湖へと下山開始
下山は登りと同じ道を使用する。下山時は滑りやすく、指沢山を過ぎた尾根沿いの道は傾斜が急になるので、降雪エリアでは特に注意しよう。下り坂でも軽アイゼンの使用が望ましい。登りと同じコースで下山したら、奥多摩湖の湖面に注目だ。天気のいい日の午後には、周囲の山々の美しい山影が映し出されることだろう。
■冬登山デビューに最適な御前山で美しい景色を楽しもう!
奥多摩湖から惣岳山を経て御前山を歩くこのルートは、静寂と美しさを堪能できる魅力的なコース。 展望ポイントが多く、ほどよい難易度が冬登山のデビューとしても最適だ。この2月、奥多摩の山々を訪れ、雪の中を歩く特別な体験を楽しんでほしい。