御前山(ごぜんやま)は、東京都西多摩郡奥多摩町と檜原村(ひのはらむら)の境界に位置する標高1,405mの山。大岳山(おおだけさん)、三頭山(みとうさん)とともに、奥多摩三山のひとつとして知られており、美しい三角すいの山容と、東京都とは思えない豊かな自然環境で人気だ。「花の百名山」にも名を連ねており、4月頃には山頂付近でカタクリがかわいらしい花をつける。

 冬になると、山頂付近や登山道に雪がかかり、白銀の世界へと姿を変える。登山口から山頂までの間には景色のよいポイントも多く、奥多摩の山々や遠くの富士山も望むことができる。軽アイゼンデビューを考えている登山者にも適している山だ。

 今回は、筆者が2月に訪れた際の降雪や路面の凍結状況などをレポートしていく。この冬、雪景色の御前山を目一杯楽しむうえで、参考になれば幸いだ。

■奥多摩湖から歩く奥多摩三山「御前山」ピストンコース

奥多摩湖より、奥多摩湖いこいの路で御前山を目指すコース(国土地理院地図より引用)

 登山口のある奥多摩湖までは、JR青梅線・奥多摩駅からバスでアクセスするのが一般的。西東京バスに乗車し、15分ほどで奥多摩湖バス停に到着だ。混雑する週末などは臨時便が出ることもあるが、早めの行動を心がけよう。

 マイカーでアクセスする場合、奥多摩湖駅から湖までの所要時間は10〜15分ほどだ。駐車場は複数用意されているが、紅葉や桜のシーズンの週末は混雑するので注意しよう。

 なお、奥多摩駅からタクシーを利用した際の料金目安は3,000円程度だ。

奥多摩湖の周辺には散策路や、休憩用のイスがたくさんある。ここで準備を整えよう

●標準コースタイム

【奥多摩湖から御前山往復コース】所要時間
奥多摩湖 (0:00) → 奥多摩湖いこいの路入口 (0:10) → 指沢山 (1:35) → 惣岳山 (2:45) → 御前山(3:10)→惣岳山(3:35)→奥多摩湖 (5:40)
歩行距離:約8.8km
累積標高差:登り 1,090m、下り 1,090m
合計所要時間:5時間40分