■どっちが好み!?  山頂から望む「相模湾か、富士山か」

山頂にはベンチも設置されているため、腰掛けて景色を楽しむことができた

 後沢乗越から約1時間30分、鍋割山の山頂に到着。山頂から南側を見ると相模湾の景色が広がり、湘南エリアや江ノ島、伊豆諸島の展望が広がる。そして西に目をやると、西丹沢の山々の向こうに雄大な富士山が望め、晴れた日に訪れれば贅沢な景色を楽しめるだろう。

 海と富士山を同時に見られるスポットがなく、筆者はどちらを見ながら昼食を摂るかで悩んでしまった(悩んだあげく、海の景色を楽しんだ)。

見事な青空が広がる中楽しめた富士山。左には愛鷹連峰、右には南アルプスの姿も確認できる

■あえてのピストンルートでおかわりロウバイ

蝋細工のようなかわいい花を咲かす

 鍋割山からの下山は後沢乗越から大倉へと下山するルートもある。大倉からの方がバスの本数も多く、おすすめではあるのだが、この時期はあえてピストンコースで寄バス停へと下山するルートをおすすめしたい。

 寄集落にはロウバイが咲き乱れており、下山後におかわりでもう一度花見を味わうことができる。ただひたすらに登山口を目指すよりも下山後に楽しみがあるほうが終始ワクワクするはずだ。

 丹沢山地は関東南部に位置するため、降雪は少ないが、1月、2月は積雪を想定し、チェーンスパイクや軽アイゼンなどの滑り止めは必ず携帯してほしい。雪のない箇所でも凍結により滑りやすい場所もある。加えて日中の気温上昇で路面コンディションは悪くなるため、ウェアを汚れから守るゲイターもあるといいだろう。

 神奈川県松田町寄では1月の中旬から2月にかけてロウバイの見頃を迎える。梅とも桜とも違う、黄色でかわいい蝋細工のような花見を楽しみながら新しい年の山登りをスタートしてみてはどうだろうか。

 

【鍋割山コース】所要時間
寄バス停(1:45)→櫟山(0:55)→後沢乗越(1:30)→鍋割山(1:05)→後沢乗越(0:55)→櫟山(1:25)→寄バス停
歩行距離:約12.1km
累積標高差:登り 1335m、下り 1335m
合計所要時間:7時間35分

●【MAP】寄バス停 神奈川県足柄上郡松田町寄

小田急小田原線・新松田駅からバスで約30分