ついに買った!
キャンプ用の薪ストーブを、である。
昨冬まで“自分は冬でも焚火だけ派"などと言って、便利な暖房器具を用いないシンプルなキャンパーを宣言していた。しかし、それは本当のところやせガマン。高価な暖房器具には手が出せず、憧れの薪ストーブを、指を加えて見ていたのである。
そうだった、のだが、今年思い切ったのには、訳があった。
テン泊登山からキャンパーに派生した筆者は、収容人数1〜2人の山岳ソロ用に似た自立型テントの廉価版でキャンプを楽しんでいたため、そもそも薪ストーブを入れられなかった。しかし、昨夏、某メーカーの元値10万円クラスの大型2ルームテントが3万円ほどでセールされていたのに出会い、すかさず購入、広い前室が土間になっているため、「冬になったらここに絶対薪ストーブを置くぞ!」と心に決めていたのである。
■テントで薪ストーブ使用時に欠かせない安全対策
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ということで、筆者が購入した薪ストーブは、アマゾンが「日本の中小企業」と認定しているブランドのもの。比較的安価でレビューも結構多い。ブラックフライデー期間だったので、元値18,000円くらいが14,000 円ほどで買えた。
そして、ここから、筆者の薪ストーブデビューまでの奮闘が始まる。
テントと薪ストーブは揃った。だが、欠かせないのは安全対策。火を使うのだから、これは当然のこと。下手をすると命に関わる重大事故を招きかねない。
ネットを中心にあちこち調べると怖いのはまず一酸化炭素中毒、それから火事、火傷とある。
●一酸化炭素には一酸化炭素チェッカー
一酸化炭素中毒については、チェッカーを購入。アマゾンで3,000円ほどのものである。使用する際の換気も必須である。1時間に1回の換気が必要とされているが、筆者はテントの開口部を常に少し開けておくことをイメージした。
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安全対策のために買い揃えたもの
(左上から)煙突ガード、延長煙突、サーモバンテージと結束バンド、一酸化炭素チェッカー、ロープ、焚き火台シート、洗濯バサミ(大・小)、リング金具
●煙突からテント生地を守り、火事を防ぐ
火事については、まずテント生地をなにがなんでも熱から守ることが大事。テント生地として一般的な材質は、水に強く劣化しにくいポリエステルやナイロンが用いられていることが多い。これらは火の粉が降り注げば、あっと言う間に穴が開き、最悪燃えてしまう。
火に強いのはポリエステルとコットンを混紡したポリコットンといわれる。今どきは薪ストーブ導入を前提にしたテントもあり、大抵ポリコットン製となっている。
では、筆者の材質はなんであったかと言うと、難燃加工を施したポリエステル製ということであった。メーカーサイトでは「火の粉が付着した際に燃え広がりにくい」と説明されている。その数ワードでは実力のほどが分からず若干の懸念を持ったが、同製品で薪ストーブを楽しむキャンパーのYouTubeレポートも存在する。それらを参考に自己責任で対策を徹底することとし、進めることにした。
重点的に行った対策は以下の通り。
まずは煙突ガードの購入。テント生地が煙突に直接触れないよう煙突周りにはめるものだ。そして、これにサーモバンテージ(耐熱布)を巻く。バイクのマフラーなどに巻くものだ。さらにこれに筆者独自の工夫として、ステンレス製の洗濯バサミを取り付けた。テント生地を固定し、風などでずれないようにするためだ。
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テント生地が煙突に直接触れないようガード。 テント生地は洗濯バサミで煙突ガードに固定
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そして煙突の高さ。調べると先端の高さをテントの屋根から50cmとか1mとか上に確保すべし、というセオリーを目にする。火の粉が熱いまま屋根に降りかからないようにするためだ。
筆者の煙突は標準で約190cm。一方テントは煙突差し出し部で高さ130cm、頭頂部で2mである。差し出し部からは60cm高いが、頭頂部からは10cm低い。そこで純正の煙突と同径6cmで、長さ30cmの互換品の延長煙突を入手した。これを2本継ぎ足すと、煙突の先端は差し出し部から1m20cm高くなる。頭頂部からは50cm高くなり、これは1mという見解には及ばないが、頭頂部からの距離は十分離れているため、これで良しとした。
ロープも準備。煙突は地面にペグダウンして固定するが、煙突が高く、またテントの屋根が広いため、煙突差し出し部とは反対側の地面に標準のロープが問題なく届くかどうか分からなったため、予備的に用意したものである。
そしてスパークアレスター。煙突の先端につけて火の粉の飛散を抑制する網目状の器具である。これは筆者の薪ストーブには標準で付いていた。
広めの焚き火台シートも買った。下草への燃え移りを防止するためだが、使用後の炉内の灰を集めて灰捨て場に運ぶ際にも重宝するというネットの意見が参考になった。
消化用の水も、タンクに多めに準備するようにしたい。
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●作業時には革手袋で、手を火傷から守る
そして火傷の対策である。基本的には、燃焼中の薪ストーブに触れないことだ。作業のために触れる際は分厚い革手袋が必須となる。これも親切なことに製品に付属していた。そして、焚き火キャンプで使っているトングも持っていくことにする。子どもがいる場合、ストーブガードを置くなど、より厳しい対策が採られるべきである。
アイテム | 備考 | 価格(税込) |
---|---|---|
煙突ガード | ─ | 2,580円 |
延長煙突 | 3本セット | 1,500円 |
サーモバンテージ | ─ | 1,032円 |
結束バンド | ステンレス製、4本 | 2,188円 |
一酸化炭素チェッカー | ─ | 2,799円 |
ロープ | ─ | 1,098円 |
焚き火台シート | ─ | 998円 |
洗濯バサミ(大) | ステンレス製、10個入り | 695円 |
洗濯バサミ(小) | ステンレス製、10個入り | 428円 |
合計 | ─ | 13,318円 |