山梨県甲府市と長野県川上村にまたがる標高2,599mの金峰山(きんぷさん)は、日本百名山の一座に名を連ねる山だ。ほかにも山梨百名山や信州百名山、甲州百山、日本百霊山などにも選ばれ、奥秩父を代表する山のひとつで人気が高い。
今回は奥秩父の盟主「金峰山」への最短ルートを紹介したい。金峰山へと登る登山道は東西南北から延びているが、最短で行けるのは大弛峠(おおだるみとうげ)からのルートだ。しかし大弛峠へと続く林道は11月末から冬季通行止めとなってしまう。
12月には降雪もはじまるため、金峰山へ短い時間で登るなら11月がラストチャンスだ。
■日本一標高の高い峠「大弛峠」から目指す金峰山
起点となる大弛峠は標高2,360mで、一般車が通行することができる峠として日本一の高さを誇る。大弛峠はヒルクライムの聖地としても知られており、ハイカーだけでなくサイクリストやバイカーでも賑わう場所だ。
歩き出しの標高が2,300mを超えているため、朝晩はかなり冷え込む。筆者が訪れたのは10月下旬だったが、気温は0℃だった。しっかりと防寒し、ウェアの脱ぎ着で調整したい。
■森で出会った好奇心旺盛な「オコジョ」
大弛峠を出発すると、シラビソの樹林帯を歩き朝日岳を目指す。眺望のない静かな森の中を歩いていると野生動物に出会うことがある。筆者が訪れた時は、石が転がったのかと思って目を向けてみると「オコジョ」がいた。オコジョは好奇心旺盛な動物で、すばしっこいが何度もこちらを確認しにくる。野生動物に出会うとついモタモタとしてしまい、シャッターチャンスを逃してしまう筆者だが、好奇心旺盛なオコジョはシャッターを切るのを待っていてくれた。
■朝日岳から望む富士山と目的地の金峰山
大弛峠から約1時間5分で朝日岳に到着する。朝日岳はあまり知られている山ではないが、標高2,579mの山で甲府名山や甲斐百山に選ばれている。山頂にはベンチがあり、富士山の眺望が楽しめるので休憩するのにぴったりだ。
これから目指す金峰山も近くに感じることができ、金峰山のシンボル五丈岩(ごじょういわ)も確認できる。