冬の北海道の美しさは、あたり一面に広がる白銀の雪景色、だけではない。凍てつく気候がつくり出す圧巻の自然現象や、心を揺さぶられるほど感動的な自然界の営みに出会うこともできる。
今回は、一生に一度は見たい、北海道の東部限定の希少な2大絶景スポットを紹介する。非日常の圧倒的な自然と感動を満喫しに、いざ、冬の道東へ。
■冬のオホーツク海の絶景「流氷」を見に網走市へ
道東の2大絶景の1つ目は、網走市のオホーツク海で見られる「流氷」だ。JR網走駅から車で5分ほどの場所にある「道の駅 流氷街道網走」前の網走川から、網走流氷観光砕氷船「おーろら」に乗船することができる。
オホーツク海の流氷は、ロシアと中国の国境を流れる大河アムール川からオホーツク海に注がれた淡水が氷結して生まれるといわれている。流氷は海流に乗って南下するにつれて大きさを増し、シベリアからの寒気、海水の塩分濃度、島々に囲まれ流氷がとどまりやすい地形などいくつもの条件が奇跡的に重なって、例年1月下旬ごろ、網走のオホーツク海沿岸部に雄大な姿を現す。
世界でも稀なこの自然現象が網走で見頃を迎えるのは、例年2月中旬から3月上旬ごろ。潮の流れによっては、流氷が岸までたどり着くこともあるという。
いざ、砕氷船に乗り、流氷の中を突き進む。写真で見ていた景色が目の前に現れると、言葉で言い表せないほどの感動に打ちのめされた。水平線まで一面に広がる白銀の流氷。流氷の隙間から時折覗かせる、青く透き通った海。その美しさは、まるで日本とは思えないような光景であり、約1時間の乗船時間が感動と興奮のうちに過ぎた。
船上からはもうひとつ「野生動物を探す」という楽しみもある。運がよければ、流氷の上にいるアザラシやオオワシなどを見ることができるのだ。筆者が乗船中に出会ったのは、白銀の上を飛ぶ一羽のオジロワシ。大自然の中で生きる野生のリアルな姿を、雄大な流氷をバックに眺める感動も、ここでしか得られない貴重な体験だ。
●【MAP】網走流氷観光砕氷船おーろら
網走流氷観光砕氷船おーろら
運航期間:1月20日〜3月31日
ホームページURL/https://www.ms-aurora.com/
※運航日や営業日時はホームページよりご確認ください