■冬の釧路湿原を舞う「タンチョウ」の観察スポットへ
道東の2大絶景の2つ目は、釧路湿原に包まれた小さな村・鶴居村の雪原で見られる、「タンチョウ」が一斉に舞う光景である。JR釧路駅から車で約50分ほどの場所にある、タンチョウの給餌場「鶴見台」や「鶴居・伊藤 タンチョウサンクチュアリ」で観察できる。
タンチョウは両翼を広げると2mを超える、日本では最大級の鶴。赤と黒と白の色彩を持つ美しい野鳥であり、国の特別天然記念物でもある。鶴居村に隣接する釧路市の空の玄関口、「たんちょう釧路空港」の愛称になっていることでも知られる。
日本のタンチョウは主に道東で暮らす留鳥(りゅうちょう)だ。季節による移動をせず、一年通して釧路湿原に生息し、エサの少ない冬場は「鶴見台」や「鶴居・伊藤 タンチョウサンクチュアリ」などの給餌場に集まってくる。冬は高確率で見ることができると聞き、鶴見台を訪れると、まずタンチョウの多さに驚かされた。かるく50羽以上はいただろうか。真っ白の雪原に集うタンチョウが、ふいに大きな羽を広げて頭上を飛来し、自然の中で生き生きと過ごす姿は、まさに目を奪われる光景だった。
さらに心を惹かれたのは、ダイナミックな求愛ダンスだ。例年2月ごろにしか見ることができない貴重な光景である。オスがメスの前で大きな翼を広げて求愛する様子や、飛び跳ねてアピールする姿を実際に目にすると、野生の生き物の神秘に触れたようで胸が高まる。ぜひ肉眼で見てほしいが、観察場所とタンチョウとの間には少し距離があるため、きれいな写真を撮りたい場合は望遠レンズがあるとよいだろう。
●【MAP】鶴見台
ホームページURL/https://www.kushiro-shitsugen-np.jp/kansatu/turumi/
※営業日時はホームページよりご確認ください
●【MAP】鶴居・伊藤 タンチョウサンクチュアリ
ホームページURL/https://tancho.marimo.jp/
※営業日時はホームページよりご確認ください
■冬の道東はまさに別世界で絶景の宝庫
毎年一面の雪に覆われる冬の道東は、普段の生活では決して見ることができない大自然が生み出す雄大な絶景に満ちている。冬の道東でしか得られない感動を味わいに、ぜひ白銀の世界へ足を運んで、一生の宝となる体験をしてみてはいかがだろうか。
※この記事の情報は2024年12月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。