■秋から冬にかけてが遺跡歩きのベストシーズン
ヨーロッパの国々を旅する時、主要観光スポットとして必ずと言っていいほど紹介されている古代遺跡の数々。イタリアにもポンペイやシチリア島のアグリジェントなど、古代の町や神殿の遺跡が各地に残っていて、一年を通じて世界中からの観光客が訪れている。バカンスシーズンの夏は訪問者数もピークに達するのだが、実は6月から9月は遺跡歩きには向いていない。夏の猛暑の中、日陰がなく太陽の照り返しに晒される広大な遺跡の中を歩くのは過酷そのもので、決してお薦めできるものではない。遺跡歩きを満喫したい、とお考えの方には、11月から3月にかけての季節が最も適しているとアドバイスしたい。冬期は入場料が安くなる、という遺跡もある。日没が早いので朝一番に出かける必要はあるが、夏よりも観光客が少ないためゆったりと歩けるはずだ。
私が念願だったアテネのアクロポリスへ行ったのは11月初旬だったが、ギリシャの太陽はまだまだ絶好調に輝いていて、まるで初夏のハイキングのような爽快な遺跡歩きを楽しむことができた。観光スポットとはいえ、アテネの「アクロポリスとスロープ」はルートを一周するとかなりの高低差があり、ちょっとしたトレッキング気分も味わえる。これからアクロポリスを訪れたいという方は、服装や靴などの装備をアウトドア仕様にして行かれた方がいいだろう。

石畳に太陽光が反射する遺跡ルートでは、冬でも日焼止めやサングラスが必要。大理石は滑りやすく高低差もあるため、トレッキングシューズなど滑り止めのある歩きやすい靴が必須