■限られた日時しか見学できない幻想的な庭園
かつてニューヨーク・タイムズ紙で「世界で最も美しくロマンティックな庭園」と絶賛されたニンファの庭園は、ローマから約80kmほど南下したチステルナ・ディ・ラティーナ市の領内にある。ラツィオ州の天然記念物にも指定されているこの庭園は、世界でも数少ない「幻想世界のハイキングが楽しめる場所」として、イタリア国内のみならず、世界中のアウトドア愛好家を虜にしてきた。
年間を通して見学できる日数は数えるほどしかないこの庭園は唯一無二の世界観を体現している場所であり、ヴァージニア ウルフやトルーマン カポーティをはじめとする数多くの文化人や芸術家たちの創作活動に多大なインスピレーションを与えてきた。
現在、ニンファの庭は、園内の自然環境バランスを厳格に保護する目的で、毎年3月から11月の土日のみ、入場者数を限って一般に公開されている。8ヘクタールの広さを誇る庭園内では、日本の紅葉や桜、竹、モクレン、シラカバ、水生アヤメなど 1,300種以上の植物が生息しており、本来は世界各地に点在している多彩な植物が自然のままの姿で共生している。野鳥が囀り鮮やかな蝶たちが舞う美しい庭園はとても幻想的な雰囲気に満ちていて、訪れた人にまるでファンタジー映画の中にいるかのような体験をさせてくれる。