長者ヶ岳(ちょうじゃがたけ)は富士山の麓に位置し、日本一高い山を間近で拝める山だ。富士山と田貫湖を一望できる眺望のよさが評判で、他県からも人が訪れる。標高は1,335mだが、年末年始あたりから冬季の間は積雪も珍しくないので、チェーンスパイクか軽アイゼンを必ず携行しよう。

 麓の田貫湖、国民休暇村富士から歩き始めれば、山頂までは約70分。体力に余裕があれば、標高1,330mの天子ヶ岳(てんしがたけ)を縦走するコースを選ぶことも可能だ。ただし天子ヶ岳を下りた先にある名所・白糸の滝までは約4時間は見ておきたい。地元の人が体力トレーニング等で使う比較的登りやすい山ではあるが、天気が良く早出が可能な日に出かけることをおすすめする。

 長者ヶ岳の往復だけでも天子ヶ岳へ縦走しても、締めにはご当地グルメの富士宮やきそばが待っている。

■長者ヶ岳・天子ヶ岳の山頂付近は、積雪に注意

長者ヶ岳へ向かう積雪のルート

 気温の低い雪山とはいえ歩くと汗をかくこともあるので、吸汗と速乾性に優れたインナーを着用するのがおすすめだ。歩いているときと休憩中では体感温度が大きく変わるため、ウェア類のレイヤリングで体温調節がしやすいようにして登ろう。

■富士山と田貫湖を一望

ルートの途中から見える富士山と田貫湖

 登山口がある田貫湖はキャンプや散歩を楽しむ人で賑わう。湖畔を散策してから登るのもよいだろう。

 登る途中は木々に囲まれ見渡せる場所が少ないが、長者ヶ岳への分岐付近と山頂では一気に視界がひらけ、富士山と田貫湖が見渡せる。冬の澄んだ空気の中ならより一層綺麗に見えるだろう。

 長者ヶ岳の山頂にはテーブルとベンチが設置されているので、景色を見ながらの食事に最適だ。その先の天子ヶ岳では少し角度の変わった富士山を見られる。

【長者ヶ岳から天子ヶ岳縦走コース】所要時間
休暇村富士 → 長者ヶ岳山頂 (1:10) → 天子ヶ岳(2:10) → 白糸の滝 (4:50)
歩行距離:約11km
累積標高差:登り 968m、下り 967m
合計所要時間:4時間50分

■下山後に出会える白糸の滝

白糸の滝(画像提供:富士宮観光協会)

 天子ヶ岳からの下山ルートでは、時折姿を覗かせる富士山に元気をもらえる。天子ヶ岳登山口まで下りて来ると、白糸の滝(しらいとのたき)へ案内する標識が見えるのでそちらへ進もう。20分ほど歩くと白糸の滝に到着だ。

 白糸の滝はその名の通り白い絹糸のような姿をしており、繊細で優しい女性的な雰囲気を感じさせる。富士山の雪解け水が地層の境目から湧き出たもので、透き通った滝壺は神聖で心が安らぐ。

 運がよければ、虹が出ている光景に出会えるだろう。

白糸の滝
住所/〒418-0103  静岡県富士宮市上井出273-1
電話/0544-22-1155(富士宮市観光課)
駐車場営業時間/9:00~16:30

ホームページURL:https://www.city.fujinomiya.lg.jp/kankou/llti2b00000018ez.html

※営業日時はホームページよりご確認ください