気温の高い時期は思う存分楽しめない「焚き火」。寒さを感じるこれからこそがハイシーズンとなる。秋冬キャンプの花形ともいえるだけに、高価なギアやディープな情報も多いが、実はキャンプ場に行かなくても焚き火はできる。そんなシンプルな焚き火の楽しみ方から紹介したい。

■焚き火台がなくても焚き火はできる!

コンパクトなストーブで湯を沸かしていれたコーヒー

 ソロキャンプや徒歩キャンプで荷物を少なくして手軽に焚き火を楽しみたい、そんなニーズから卓上でも使えるサイズの焚き火台が存在する。

 アメリカ発の「solo stove」シリーズ(UPI)がメジャーだ。人気アイテムのため類似品も多いが、筆者は金属トレイを焚き火シートがわりに、テーブルの上でティータイムのお供として焚き火を楽しんでいる。本格的な薪割りは不要で、拾った枝や使い終わった割りばしなどで火をつけることができ、後片付けの手間も少ないので手軽に楽しむ際にちょうどよい。

 また、最近では100円ショップで小さめの焚き火台も販売している。一度手に取ってみるのもよいだろう。

 キャンプに行くことよりも気軽にできる、コンパクトなギアを使った焚き火体験。火器の使用や火おこしが許可された場所でまずは試してみてはいかがだろうか。

 衣服や身の回りに火がつかないように、消火用の水の用意や強風などにも注意して楽しんでほしい。

■五感を使って炎を楽しむ

薪を足して炎の動きを見る

 炎のよさを知ったなら、ぜひ五感をフル活動させて楽しむことをおすすめする。

 トーチバーナーや着火剤などで火はついても、薪を足したり、薪の置き方を変えたり、消えそうになったら、もう一度火吹き棒で強くしたりしなければ火は消えてしまう。「育てる」という表現を好んで使うキャンパーも多いが、「焚き火は生き物」ということが感じられるだろう。 

 火を絶やさぬように見つめ続けるだけであっという間に時間は経ってしまう。炎の揺らぎは動画サイトなどでも人気のコンテンツ。私たちに安らぎを与えてくれる。

 目で揺らぎを楽しみ、鼻で煙の匂いを感じ、耳を澄ましてパチパチと木が爆ぜる音を聞き、肌でその温かさを感じる。その静かな時間は大人の極上の癒し時間に変わるだろう。