60歳でYouTubeチャンネルをスタートし、74歳となった現在、27万人ものフォロワーを持つまでになったwinpy-jijii(ウィンピージジイ)さん。

 著書『いくつになっても遊び続ける ジジイのアウトドア大全』(KADOKAWA刊)では、「遊びに妥協はしない」、「悩むところはとことん納得がいくまで考える」と説く彼に、いまだに変化と進化を続ける自身の「キャンプスタイル」について、お話を伺いました。

■初めてのキャンプは、今から60年近く前

御年74歳。いまだ楽しみを探し続ける姿は、高校生の頃から変わらないのではないでしょうか

 初めてキャンプをしたのは、高校1年生の時です。夏休みを利用して、琵琶湖の湖畔で1週間くらい過ごしました。誘ってくれたのは、違う高校に進んだ中学時代の友達です。まだキャンプは未経験で、ちょうど興味があったのでふたつ返事で出かけました。

 キャンプとは一体何をするものなのか、どんな道具が必要なのか。右も左もわかりませんでしたが、友達は高校のワンダーフォーゲル部に所属していたので、テントとザックは部の備品を借りることができました。

 当時のテントはフロアがない三角テントで、あれはコットンだったのか、やたらと重かったですね。ザックは横長のキスリングでした。道具は友達が自分の家まで持ってきてくれていました。全部おんぶにだっこです。総勢6人の仲間が集合して、電車で琵琶湖に向かいました。飯盒とか米や食材は持ち寄って、着替えはどうだったかな。寝袋はありませんでしたが、夏だったのでなくても大丈夫でした。

最近は、愛車のボンゴで車中泊するスタイルがすっかり定番化しているそう

 キャンプといっても、何をするでもありません。体力だけは持て余した男子高校生が6人、日中は暑かったこともあってずっと泳いでいました。夜は流木を集めて焚き火をして、飯盒でご飯を炊いて缶詰のカレーを食べる。それだけでしたが、親がいないのが、何よりよかったですね。ご飯が焦げたりとか、ちょっとした失敗はありましたが、すべてを自分たちでやるのは本当に楽しかった。

 京阪電車でキャンプ場の近くまで行ったんですが、1週間もキャンプをしている間に、なんとその路線が廃線になってしまって、帰りは重たいキャンプ道具を背負って、2駅分を1時間くらいかけてトボトボ歩きました。最後の最後にそんなトラブルがあったのも、今ではいい思い出です。