秋は日によって汗ばむほど暖かいかと思えば、翌日には急に冷えたり、日中と朝晩で10℃以上違ったりと気温差が激しい季節だ。2024年10月19日、20日はまさにそんな気候で、全国的に寒暖差がある2日間だった。都心は30℃以上、観測史上最も遅い真夏日を更新したが、翌朝は16℃と気温は急降下。

 筆者は同日に千葉県でキャンプを行い、身をもって寒暖差の激しさを体感するキャンプとなった。

 今回はそのときの経験をもとに、キャンプでの寒暖差に備えるための服装や持ち物の工夫について紹介する。

■2日間で夏日から初冬のような気温に一変!  そのときどうなった!?  キャンプレポート

予想外の暑さの中、汗だくになってテントを設営

 キャンプ初日は急な暑さに対応できず、設営作業はまさに汗だく。天気は事前に確認していたが、まさかこんなに暑くなるとは思わず、半袖を持参していなかったのだ。設営の間はもちろん、日中は長袖を腕まくりして過ごした。

 しかし、夕方から冷え込み始め、翌朝はさらに気温が低下。おまけに小雨が降り風も吹いていたため、体感温度はさらに低く感じた。朝から焚き火をし、トレーナーを着用して暖をとる。温度差に体が対応できず、体調不良を起こしかねないキャンプとなってしまった。

 気温の高低差はある程度予想していたものの、荷物が増えるのを避けたかったこともあり、服装や持ち物の判断を誤った結果となった。

■寒暖差を想定したキャンプでの服装と装備品のポイント

インナーは保温性の高い素材を選び、着脱しやすいフリースなど重ね着しやすい衣服を選ぼう

 寒暖差による体調不良を起こさないためにも、服装と持ち物はきちんと選定しよう。しかし、荷物をやみくもに増やさないこともポイントだ。

●服装は重ね着が基本

 服装はレイヤリングを取り入れよう。レイヤリングとは、吸水・速乾、保温性、防水・防風などの機能の違うウェアを重ね着することだ。暑ければ脱ぎ、寒ければ重ね着することで、気温や運動量の変化に対応した体温調節がしやすい。

 具体的には、日中を過ごす半袖のほかに、気温が下がったとき用に薄手のインナーと、パーカーやフリースを準備し、気温に合わせて着脱する。メリノウール製のインナーウェアは保温性と速乾性に優れ、汗冷えを防いでくれる。アウターは急な雨風に備えて、防水性を備えたものがおすすめだ。 

●手軽に暖が取れるアイテムを活用しよう

 朝晩の冷え込みが予想される場合には、使い捨てカイロや湯たんぽを用意しよう。手軽に暖が取れ、本格的な暖房器具に比べてかさばらない。

 湯たんぽは、シュラフを温めるのに役立つ。使い捨てカイロは、衣類に貼るタイプや足用などパーツ別のものもあり、急な冷え込みでも冷えやすい部分を素早く温めることができる。湯たんぽが無い場合は、使い捨てカイロを多めに用意すれば、シュラフも温められる。