■「屋内に侵入して越冬するタイプのカメムシ」にはどんなものがいる?
最後に、ここで紹介するのはほんの一部ではあるが、屋内で見られるカメムシの仲間を紹介する。
まず、クサギカメムシ。
「カメムシ目カメムシ科」に属し、屋内に侵入するカメムシとして代表的な種である。カメムシの中では大型の種。
名前は「クサギ(臭木)」という植物につくことが由来だが、クサギ以外にも様々な樹木の上で見られる。
次に、マルカメムシ。
「カメムシ目マルカメムシ科」に属する、体長4〜5mmの丸くて小さな可愛らしい種。クズなどの植物に群れでいるところがよく見られる。
小さいためか屋内へは洗濯物に紛れて侵入することも多く、僕もマンションの1階に住んでいた頃はよく侵入された経験がある。
次にオオトビサシガメ。
「カメムシ目サシガメ科」に属し、体長20mm以上の大型のサシガメの仲間。
カメムシの仲間は草食性のものが多い(針状の口吻(こうふん)で植物の茎などを刺して汁を吸う)が、サシガメの仲間は肉食性のカメムシ。口吻で小昆虫など動物を刺してその体液を吸う。
カメムシは、屋内で越冬する習性やにおいに関しては、多少やっかいに感じる場面もある虫だ。ただ、ここまで紹介してきたように、それらの生態も含めてカメムシは生き物として非常に面白い昆虫でもある。
今後じっくりと観察できるチャンスがあれば、毛嫌いせず、ぜひ今回紹介した部分にも注目して観察してみてほしい。