■川治温泉に来たら「坂文精肉店」!
川から上がり訪れたのは、知る人ぞ知る名店「坂文(さかぶん)精肉店」です。「川治ふれあい公園」のそばにある歴史ある肉屋さんなのですが、コロッケやメンチカツなどの美味しさと店主の人柄で大人気、地元グルメの有名店です。
キャベツメンチ(税込150円)、コロッケ(税込80円)を購入しました。まずはメンチカツ頬張ります。たっぷり詰まった肉の旨みとキャベツの甘みのマリアージュ! 油が染みた袋からは信じられないほどサッパリした衣の食感! 今度はコロッケをかじると、“やさしさ”が衣を着たような素朴でさぱりとした甘みが口内に広がります。あっという間に平らげてしまって、再びお店へ。以前から気になっていた、とりモモあげ(税込300円)もいただいてみます。カラッと揚がった衣の中には柔らかくジューシー、それでいってサッパリとした後味のモモ肉が詰まっています。ボリュームのある塊はあっという間になくなってしまいました。
■衝撃的な“ダム放流”の瞬間を目の当たりに!
お腹と心を満たして川へと降りようとすると、上流の五十里(いかり)ダムからの環境放水のためにしばらくは立ち入り禁止になってしまいました。少々残念ですが、ローウォーターの打開策になるかもとむしろ期待が高まります。しばらく川の様子を眺めていると、上流から流れてきた水はすさまじい勢いの濁流で、河原まで一気に覆っていきます。
その光景は凄まじく「もし川にいたら……」と想像するとゾッとします。足を止めて見守っていた観光客も圧倒されるようにすっかり見入っている様子です。日没前には水位も下がり、先ほどまでの増水が嘘のように平和な流れを取り戻していました。けれど魚たちは無事なのだろうかと一抹の不安がよぎります。
翌朝、宿をチェックアウトする前に散歩がてら川沿いの遊歩道を歩いていると、すでに何人も釣り人がルアーやフライを流しています。流れは濁りもなくクリアーです。はたして、ニジマスたちは各ポイントに悠々と泳いでいました。その様子に竿を出したくなりますが、もう家路に就かねばなりません。後ろ髪を引かれつつ、再訪を楽しみに川治温泉を後にしました。