●市場駅から木漏れ日が差し込む山の中へ! 藪をかき分け目指すは展望台!
市場駅から舗装路を進み「白雲谷温泉ゆぴか」の敷地へと入る。「小野アルプス」登山口の看板に沿って進み、木漏れ日がキラキラと光る山の中を歩こう。
まず最初に目指すのは約3km先の展望台だが、その行く手に待ち受けるのは、高山・前山(まえやま)・愛宕山(あたごやま)・安場山(あんばやま)4座のアップダウンだ。とは言え、標高は150mに満たない山々なので、さほど苦労することなく進めるだろう。
ただし、夏の暑い盛りに小野アルプスにチャレンジする場合は、行く手を阻む藪がやっかいだ。涼しくなる秋から冬にかけてが、低山に適した季節だろう。
登山開始から1時間45分ほどで、最初の絶景ポイントである展望台に到着だ。まだ序盤なので、ここまでの道のりで体力に不安を感じるようなら、エスケープルートの利用も検討しよう。
●小野アルプス最高峰!「小野富士」こと惣山(標高198.9m)へ!
展望台から総山とアンテナ山を過ぎた先に、小野アルプス最高峰の惣山がある。最高峰と言っても標高は198.9mなのだが、ここまで6座を越えてきた分、喜びもひとしおだ。
惣山頂上付近にある「見晴らしの森・展望デッキ」からは小野市内を一望できるほか、遠くは明石海峡大橋までが一望できる、極上の景色が広がっている。
惣山は、その端正な三角錐の山容から、別名「小野富士」と呼ばれているが、山頂のそこかしこに「日本一低いアルプス」や「日本一低いご当地富士」と手書きの看板や案内があり、地域ぐるみで親しまれていることが窺える。
●最大の山場! 紅山のスリリングな岩登りにチャレンジ!
小野富士・惣山を越えると、また一気に標高を下げる。そして、その先に待ち受ける登り返しが、小野アルプス最大の魅力ともいえる、紅山(べにやま)の岩登りだ。
断崖岩場が特徴の紅山は、両手両足を使って登ろう。低山とは思えぬ想像以上のスリルが味わえることで高い人気を誇る山で、小野アルプス縦走でなく、紅山だけを目当てに訪れるハイカーもいるほどだ。
筆者も紅山を下から仰ぎ見たときは、その角度に驚いたが、これを登らずして小野アルプスは語れまいと、岩肌に取り付いた。なお、登山初心者で不安な方は迂回コースもあるので安心してほしい。
登りきった岩壁を山頂から覗き込むと、その高度に達成感が込み上げてくる。紅山山頂には登山ノートが置かれており、思い思いの岩登りの感想がしたためられていた。紅山を登頂した際には、思い出にひとこと書き記していくのもいいだろう。
●多彩なエスケープルートで自分にあったコースを決めよう!
最後に、小野アルプスに用意されたエスケープルートについて触れておきたい。繰り返し訪れるアップダウンの連続に、縦走コースの途中で疲れてしまったという方も、途中で下山するためのエスケープコースがあるので、安心して挑戦できる。事前にエスケープコースを把握しておくのも大事な登山の心構えだ。