いつもは関西の低山を中心に歩いている筆者であるが、今回は野暮用でしばらく滞在した中華人民共和国の低山に登ることにした。
訪れたのは遼寧省大連市西崗区から沙河口区にまたがる白雲山(バイユンシャン) 。蓮花山などの山々を総称して白雲山といい、最高峰の西山でも259.6mしかない低山だ。
白雲山はハイキング道が充実した北部の「白雲山山体公園」と、大連森林動物園を中心に観光地化されている南部に分かれる。今回、筆者はハイキング道が充実した白雲山山体公園を訪れた。
■日本の山とはちょっと様子が違う中国の山
白雲山山体公園の登山道は、全体が石畳。ピークには異国情緒あふれる東屋もあり、なかなか楽しい。東屋からの眺望もなかなかのものだ。
また白雲山には中国古典のモニュメントや石碑、看板が至る所に設置されている。そこで保護者が子どもに古典の講義をはじめたり、学校の勉強の成果を試す学力テストをする姿が多く見られた。遊びに来てまで勉強させられる中国の子どもも大変である。
■気軽にアウトドアを楽しむ中国の人々
白雲山は大連市民の人気スポットでもあり、頻繁に登山客とすれ違う。白雲山の登山口には大きな地図があり、分岐には必ず道標もある。ここまで整備されていたら、道に迷うこともないだろう。そして、登山道にはベンチや公衆トイレも多く安心だ。
ただし、登山客の様子は日本とはかなり異なる。
多くの人は、平地の公園を散歩するかのようないでたち。「半袖+短パンツ+ツッカケ」という人も見かける。登山靴を履いている人は筆者を除いて皆無だ。
人気の山は日本同様、人の踏みあとで自然とできてしまった勝手道が多いのだが、その勝手道を笑いながら駆け回る女子高生グループもいた。なぜか買い物帰りのような服装で、生のタチウオをぶら下げて歩いている女性もいて、カルチャーショックを感じる。
なお、中国にもやっぱり道迷いの人はいた。道に迷っていたのは高齢男性。なんでも「登ってきたはよいが、下山道がわからない」という。どうやら道標を見ていなかったようだ。丁寧に下山道を教えてあげたので、恐らく無事に下山できたであろう。