■10年間、楽しく暮らそうとしてきた結果
3足のわらじには、それぞれ以下のように、日々を楽しく暮らすための僕なりの意図があります。
1:トレイルランナーとして地域の魅力を語れるガイド業ができる
2:龍神村を発信するために、珈琲ロースターとしてイベント出店や豆の通販を通して、地域外のたくさんの人と交われる
3:さつまいも農家として自然の恵みをいただき、自然と共に生きる
意図と言っても、移住当初からそうしようと計画していた訳ではありません。
色々試行錯誤するなかで残ってきた生業が、今の3足のわらじであり、楽しく暮らそうとしていたら自然とこうなったという感じです。
僕は伝える活動の真ん中に、また仲間づくりのベースとして「豆んと森珈琲(まめんともりこーひー)」という屋号を持ちました。名前の由来は「今日が人生最後の一日だとしたら、今日をどう過ごすのか」という意味の“メメントモリ”という言葉です。
龍神村ならではの暮らしを伝えるために、豆んと森珈琲というブランドを持ち、ブランドづくりの視点から他の地域との差別化を図る。そうするうちに、龍神村のフィールドの特徴や3足のわらじを使った仲間づくりの方向が見えてきました。
■自然と人と文化が形づくる景観が財産
文化的景観という言葉があります。
その地域ならではの、自然と人とが折り合いをつけて暮らしている風景のことで、例えば雪深い地域の家の屋根は茅葺きで尖っている、みたいな感じです。
龍神村のフィールドの自然的な特徴と、その自然と共に暮らして来た人々の文化。自然や文化に惹かれて集まる移住者が形づくる文化的景観こそ、今ある龍神村の財産です。その財産を3足のわらじを楽しみながらブランド化して伝えること。これが移住から10年経った今、僕の暮らしの真ん中にあります。
次回は、10年前の移住についてお話したいと思います。