■「鹿島台」まで坂を上って「かたらいの路」へ

鹿島台の住宅地から「かたらいの路」へ入るルートは、Googleマップでは検索不可能(国土地理院地図から引用)

 日野の街には、奈良のように鹿がそこかしこにウロウロしてはいない。しかし、定期的に野生の鹿の目撃情報が寄せられるくらいには、鹿とゆかりのある地域だ。

 劇中では鹿の描写に唐突さを感じるが、日野と鹿が全くもって無関係というわけでもないのが面白い。そして、中程久保橋を背にしてこれから上っていく坂の先の地名は、奇しくも「鹿島台(かしまだい)」という。

 中程久保橋から住宅地に延びる坂を鹿島台まで登る(徒歩約15分)と、中程久保橋や程久保駅をはじめとする日野の街が一望できる。

鹿島台の「かたらいの路」入り口の階段を上ると、日野の街を一望できる

 低地に位置する中程久保橋からここまで上るのは、夏場だとなかなか骨が折れる。基本的には舗装路が続くものの、傾斜が非常に急であり、天気が良ければ良いほど日差しが相まってキツくなる。中程久保橋からまっすぐ延びる坂は、特に車や人が頻繁に行き来するため、往来にも気を遣わなければならない。

■第3の聖地「みはらし公園」までは「かたらいの路」を経由するのがおすすめ!

聖地であるみはらし公園の散策路からは、多摩エリア屈指の絶景が見下ろせる

 アニメ冒頭で、日野の街を見下ろす景色のいい場所が映るが、ここは「みはらし公園」が舞台となっている。みはらし公園は、多摩エリアでも屈指の美しい夜景が見られる絶景スポットとして知られている場所だ。

 みはらし公園に行くには、鹿島台上に上りきった後、森の中の散策路である「かたらいの路」へと入っていくルートがおすすめ。最初に25段ほどの階段が出迎えてくれるが、そこを上ればすぐに「かたらいの路」の入り口だ。「かたらいの路」散策路をひたすら歩くと、みはらし公園の上に出ることができるので、結果的にかなり楽になる。

鹿島台上の住宅地には「みはらし公園」へ続く「かたらいの路」の入り口となる階段がある

 「かたらいの路」は獣道のような散策路であり、ある程度のアップダウンや倒木などもあるものの、きつい高低差はないので苦しまずに済む。多摩動物公園の土地のすぐ北をなぞるように散策コースが続き、傾斜のきつい階段も一部あるが、あまり長くはない。

かたらいの路の中にある急な階段は、少し歩きにくいので足元に注意

 アニメの聖地となっている眺望の開けたエリアに出る際も、上りではなく下りで合流できるので、非常に楽に感じる。

 筆者が実際に歩いてみた感じでは、鹿島台上から散策路に入ってわずか10分ほどで「聖地」へ辿り着ける。

「みはらし公園」の散策路へは下り階段で楽にいける

みはらし公園
住所:〒191-0041 東京都日野市南平2丁目24

●【MAP】みはらし公園

Googleマップで検索をかけると、急峻な階段を上るハードな道順が出てくる

 みはらし公園までの道順をGoogleマップで検索すると、鹿島台上から住宅地を下っていって、みはらし公園真下の非常に急な階段を上るルートが出てくる。が、こちらは絶対におすすめしない。住宅地を下っていく時点で回り道になるだけでなく、この階段は「心臓破りの階段」といっていいくらい傾斜が急で、異常に体力が持っていかれるからだ。

 聖地巡礼サイトの多くは「みはらし公園にいくなら覚悟した方がいい」と書かれているが、それはこの階段が理由だろう。

 特に真夏の猛暑日には半分登った時点で座り込んでしまうほどきつい。息も絶え絶えでみはらし公園に辿り着いたとて、アニメの聖地となった眺望を望める散策路まではさらにそこから急な階段を上らなければならず、ひたすらに急な上りの攻略を強いられる苦行の道となってしまうのだ。

 しかし、その分景色は抜群にいいので、体力に自信のある人は挑戦してみるのもいいだろう。 

階段を登るのはきついが、真ん中あたりからは映画のような絶景が見下ろせる