■なぜ夏になるとサーフのルアーフィッシングが難しくなるのか?
理由1. 海水温が高いから
外気温が高くなると当然、海水温も上昇する。高い海水温を好む魚は浅場にいるが、多くは沖の深場に落ちる魚が多い。人間と同じで魚も避暑地に行く派がいるのである。
理由2. 水中の酸素量が少なくなるから
水温が高すぎると、酸素が海中に溶け込みにくくなる。高水温が続くと海中のプランクトンが減ったり、異常に増殖(赤潮の発生)してしまったりする。プランクトンがいるところには小魚も捕食しに集まってくるが、酸素量が適切でなければ小魚も寄りつかないのだ。
■夏に砂浜のルアーフィッシングで釣果をあげるポイントは?
猛暑のせいか今年はまだ釣果をあげられていないが、実は筆者は夏の釣りをそれほど苦にしてはいない。なぜなら夏は釣れる条件が意外にも明確だからだ。そのポイントを紹介していく。
●1. 朝マズメ・夕マズメを選ぶ
日の出・日の入り前後のマズメ時は動物プランクトン・植物プランクトンが活発に動き、浅場に出てくる時間帯でもある。プランクトンを小魚が追い、小魚を捕食する大型魚も集まりやすい。しかも真夏の場合は朝夕の気温や海水温が日中よりも下がるため、魚には好条件になる。実際に筆者もこれまで夏に釣れたのはマズメ時だ。
●2. 水温が低いポイントを選ぶ
川の流れ込みは海水温が少しだけ下がるので、魚が集まりやすい。しかも川の水にはミネラル豊富な栄養素も多く含まれていて、小魚が寄り付きやすい条件が揃う。実際釣りをしていても、小魚が他のポイントよりも多いことを目視で確認できる。水量豊富な川であるほどその影響は大きくなる。
●3. 天気を選ぶ
曇りや雨の日の方が晴れた日よりも釣果はあがりやすい。快晴の日は、釣り日和に思えるが風も無風に近く、水温が高くなる傾向にある。土砂降りではさすがに釣りどころではないが、曇りや小雨の時は釣果をあげるチャンスだ。
●4. 潮の動き出しを狙う
潮は毎日動き続けている。その日の干潮(潮位が最も低い時)の前後は潮が動き出す時間で、海の状況に変化が起きやすく、魚の活性に影響を与える。筆者の経験上、マズメ時ほどの釣果ではないが、暑くて集中力が続きにくい真夏はピンポイントでこの時間だけ釣りするのもアリだ。潮汐表の見方をぜひ覚えておこう。
●5. ケイムラ、グロー、チャートなどのカラーを選択する
ルアー釣りでは、カラー選択が重要だと筆者は考えている。わずかな紫外線で発光するケイムラ(蛍光紫の略)や光を蓄えて発光するグロー、濁っている時には原色系のチャートカラーを使い分け、魚にルアーをアピールするようにしている。実はキス釣りやクロダイ釣りの仕掛けにも、ケイムラを使用したものは多い。
■夏の砂浜ルアーフィッシングは、条件次第で釣果が出せる!
ルアーの選定や、ポイントや時間・天気次第では真夏でもしっかり釣果を出せる。筆者がこれまでに真夏に釣り上げた魚はこうしたいくつかの条件が重なったときであった。曇天や雨模様のマズメ時、干潮から上げの潮が動く時間に川の流れ込みがあるサーフに立つことができれば、思っていた以上の釣果に恵まれるかもしれない。