■スピニングリールとベイトリールのメリットとデメリット
筆者が本格的な釣りを始めたのは約20年前で、最初に使ったのはスピニングリールだった。当時「スピニング」と「ベイト」という単語の意味も知らない初心者にとって、リール=スピニングだと思っていた。
操作は簡単で、仕掛けを投げるのもそれなりにできた。それから数年後、世界は一変した。釣り好きの叔父から譲り受けたリールの中に、ベイトリールが含まれており、その異なる構造に戸惑い、使い方がわからなかった。
インターネットで調べ、それが「ベイトリール」と呼ばれるものであり、それぞれの構造と操作の仕方をなんとなく理解した。ただし、スピニングとベイトをどう使い分ければよいのか、よくわからなかった。
ここではスピニングリールとベイトリールそれぞれのメリットとデメリットを整理し、実釣でその差が出るのかを検証した様子をレポートする。
■スピニングリールのメリット
1. 操作性が良い(使いやすい):
操作が簡単。キャストやライン管理が比較的容易である。
2. ライントラブルが少ない:
ラインが絡まるトラブルが少ないため、初心者でも安心して使える。
3. 汎用性が高い:
さまざまな釣り(スタイルや魚種など)に対応する使い勝手のよさがある。
初心者時代の筆者にとっても使いやすいと感じたスピニングリールは、まさにオールマイティなリールである。
■スピニングリールのデメリット
1. 強度と耐久性が低い:
内部構造が複雑で部品が多い。軽量化のためにプラスチックや軽合金などの素材を使用していることが多く、長期間の使用による摩耗や故障のリスクが比較的高い。
2. 巻き上げ力が非効率:
糸の巻き取りは90度に曲げたハンドルからローター(回転してラインを巻き取るパーツ)に力が伝わるため、パワーロスが多い。
■ベイトリールのメリット
1. 強度と耐久性が高い:
金属や強度の高い部品が使われており、強い衝撃に耐えられるものが多い。
2. 巻き上げ力がパワフル:
ハンドルの回転がスプールに直接伝わるため、パワー伝達の効率がよく、強力な巻き上げ力を要する。大物やパワフルな魚とのやりとりにも対応する。
3. 操作性の良さ:
糸が巻いてあるスプール部分を親指でコントロールしてライン放出やブレーキ&ストップ制御を行う。何度も繰り返すキャストを全て片手で行える手返しの良さが特徴。
■ベイトリールのデメリット
1. ライントラブルが多い:
キャスト時にスプールがライン放出速度より速く回転すると、余分なラインがスプールに巻きつき、バックラッシュ(ライントラブル)が発生する。外的要因(風が強い時)やラインが劣化しているとスムーズに放出されず、スプール上で絡まる原因になる。
2. メンテナンスが必要:
定期的にメンテナンスが必要。メンテナンスを怠ると性能が低下しやすくなる。