■2日目、オーレン小屋から硫黄岳へ

夏沢峠までは再び樹林帯が続く

 2日目の朝食は、残ったご飯とアルファ米でお茶漬けを作った。それだけでは少々寂しいので、ミニトマトとバナナを用意した。

 朝は少し遅めの8時40分にオーレン小屋を出発。まずは夏沢峠を目指し、ひんやりした樹林帯の中を歩く。前日にしっかり休み、朝もゆっくりだったため体力は回復したのだろう、順調に進み、ほぼコースタイム通り、30分ほどで夏沢峠に到着した。

夏沢峠から爆裂火口の絶壁が見える

 ここからは本格的な登りになる。樹林帯を抜けると急な傾斜やガレ場が現れ、気持ちの良い稜線歩きとなるが、次男は次第にペースダウンし、20分ほど歩いては小休止を繰り返すようになった。休むたびに次男の好きなスポーツドリンクを飲ませ、元気づけた。

稜線からも北アルプスなどのすばらしい景色が望める

 子どもと登っていると、よくほかの登山者に声をかけられる。この日も次男は「小さいのにえらいね! 頑張ってね!」と何人もの人に励まされ、モチベーションを上げていた。標準コースタイムより30分ほど遅れて、10時45分にようやく硫黄岳に到着した。

 この2日間は風もなく晴天に恵まれ、頂上からの景色は息をのむほど感動的であった。赤岳(あかだけ)や阿弥陀岳(あみだだけ)、遠くに北アルプスなども見え、360度の大パノラマを堪能できた。美しい山々を眺めながらの休憩に皆が大満足。下山するのが、非常に名残惜しく感じられた。

山頂から広がる大パノラマ
硫黄岳から続く岩場を慎重に下る

 12時10分にオーレン小屋まで戻り、残ったインスタントラーメンや行動食を食べ、テントを撤収した。下りは疲れもあったためか、1時間20分ほどかかり、15時20分に駐車場に戻った。

 次男は幼稚園児ながら、本当によく頑張ったと思う。疲れていながらも一度も「帰りたい」と言わなかったのは、少し前を歩く長男に負けたくない一心だったのだろう。我が家では下山後、頑張った子どもたちへのご褒美に、彼らが選んだお店で食事をすることにしている。この日は回転寿司に寄って帰宅した(ほぼ毎回、回転寿司であるが……)。

■子ども連れテント泊の持ち物や注意事項

 子ども連れのテント泊では、重くはなるが不足がないように食料はやや多めに用意している。今回は防寒着もダウン、フリース、ニット帽、手袋など十分に持参した。ザックは、夫が70L、私が55L、長男が30L、次男が20Lのものを背負っている。

 夫がテントや食材、シュラフなど自分の荷物を、私はシュラフなど自分の荷物や食材の一部、子どもの衣類の一部、長男と次男は自分たちのシュラフや衣類、パンや行動食など、と荷物を分担している。

 テントは、mont-bell(モンベル)の「ステラリッジテント4」を使用しているが、家族4人とその分の荷物が加わると窮屈で、夫の大きいザックはテントの前室に置くこともある。小屋によりテントのレンタルや、夕食と朝食の食事注文ができるので、それらを利用するのもよいだろう。

 当然のことながら、登る山は子どもの体力に合わせ、整備されたコースを選びたい。連れて行くのは大人が登ったことのある山が望ましい。また我が家では基本的に一時でも雨予報があると山には登らない。子どもの成長を感じながらともに過ごす時間は貴重だが準備を万全にし、無理をさせないように注意しよう。

 

【行程】
1日目
桜平駐車場(中)(8:05)→登山口(8:20)→夏沢鉱泉(8:55-9:15休憩)→オーレン小屋(10:40)
2日目
オーレン小屋(8:40)→夏沢峠(9:15)→硫黄岳山頂(10:45-11:15休憩)→オーレン小屋(12:15-14:00休憩・撤収)→夏沢鉱泉(14:45)→登山口(15:10)→桜平駐車場(中)(15:20)

●【MAP】硫黄岳

・八ヶ岳オーレン小屋
住所  長野県茅野市豊平2472
電話  0266-72-1279(代)

URL https://www.o-ren.net/ ※営業日時はホームページよりご確認ください