長野県と山梨県にまたがり、南北30kmに渡って2,000m級の峰が連なる八ヶ岳。そんな八ヶ岳の最南端に位置する編笠山(あみがさやま・標高2,524m)。裾野が長く、編笠を被せたような山容から名付けられた。

 急登だが難所が少なく、苔むした幻想的な森を抜けた先に岩石が積み重なる独特なコースの景観が特徴的で、八ヶ岳らしい景色を眺めながらの登山が楽しめる。

 編笠山への登山は往復7時間程度、今回は1泊2日の行程だ。道中の景色が美しことはもちろん、山頂からの大絶景が楽しめるため山小屋泊、またはテント泊デビューにぴったりの山といえる。今回は、筆者がテント泊デビューした様子とともに、1泊登山の魅力を紹介しよう。

■観音平から青年小屋へ

 編笠山への登山口は中央自動車道・小淵沢ICから約20分で着く観音平(かんのんだいら)。ここには50台ほどの無料駐車場と仮設トイレ、登山ポストがあるので車を停めたらトイレを済ませて、登山届を提出したら出発だ。

スタートからしばらくは森林帯を進む
苔むした森が幻想的。景色を楽しみながら歩こう

 観音平から1日目の目的地である青年小屋までは雲海展望台、押手川分岐を経由して約3時間。まずは木漏れ日が気持ちよい森の中を進む。最初は傾斜もなだらかなので、ウォーミングアップにぴったり。自分のペースで休憩を挟みながら着実に登ろう。

雲海展望台を越えると、だんだんと傾斜が急になってくる
青年小屋では小屋泊でもテント泊でも好きなスタイルで宿泊できる

 観音平から2時間ほど歩くと押手川(おしてがわ)の分岐が見えてくる。ここから北西へは編笠山山頂へ向かう登山道が続くが、筆者らは山頂アタックを2日目のお楽しみにして、巻き道を進んで青年小屋へ。青年小屋ではテント泊と小屋泊の好きなスタイルで1泊できる。

筆者は仲間数人と一緒に編笠山でテント泊デビューを経験
夕焼けに染まる富士山の眺めが綺麗

 登山口から3時間程度の歩きで山小屋に着く。到着後にはゆっくりとテントや山小屋での時間が取れるため、山小屋泊・テント泊デビューにぴったり。筆者はここで初のテント泊を楽しみつつ、夕焼けに染まる富士山の眺めを楽しんだ。観音平から青年小屋までは標高差が約800m。翌日の山頂アタックに備えてゆっくり体を休めよう。

●【MAP】観音平駐車場

【青年小屋】
アクセス:観音平から約3時間
テント泊:800円
小屋泊:1泊2食付き 10,000円 
             素泊り 6,500円

Webサイト:https://yatsugatake-seinengoya-tooinomiya.net