山登りの楽しみ方は人それぞれではあるが、普段の生活をしている中では見ることのできないようなスケールの風景が見えることを目的に登山をしている人は少なくないだろう。筆者もその一人だ。

 山頂から見る大展望を楽しみたい人に八ヶ岳の編笠山を紹介したい。

■八ヶ岳の南端・編笠山

隣の西岳からみる編笠山の山頂付近

 編笠山(あみがさやま)は、八ヶ岳の南端に位置する標高2,524mの山だ。編笠を被せたような山容が特徴で、名前の由来にもなっている。

 南八ヶ岳には権現岳や赤岳、阿弥陀岳、横岳など、急峻で険しい山が多いが、対照的な山容の編笠山は親しみやすさを感じる。

■観音平登山口から最短で山頂を目指す

 紹介するのは観音平(かんのんだいら)から山頂を目指すルート。麓から編笠山までを最短ルートで結ぶ。編笠山の山容とは裏腹に登りは急で、山頂直下までは体力を要す。体力こそ必要な山ではあるが、危険な箇所はないので、初心者からのステップアップにもチャレンジしやすいだろう。

 登山口である観音平は、中央自動車道・小淵沢ICからも近い登山口で、駐車場まで舗装されているので運転もしやすい。第一・第二駐車場があり広い駐車場だが、アクセスがいいため土日は混み合う。できるだけ早めの到着を心がけたい。

登山口付近の登山道。はじめは緩やかな笹原の樹林帯を歩く

 斜面の緩やかな登山道ははじめだけで、徐々に斜面は急になっていく。両サイドの笹も登るにつれて背を伸ばし、登山道に覆い被さり、朝の時間帯などは笹の葉が濡れているため、ゲイターなどを用意しておくといいだろう。ウエアの濡れを防ぐことができる。