■トマトは使い分けが必要

トマトを加えた例。左:オイル漬けのサバ缶。右:サケの水煮缶

 魚缶は肉缶よりもレトルト臭が少ないけど、もともと魚が持っている匂い(魚臭さ)は、缶詰になっても残っている。この匂いを解消するためには、トマトが有効であります。トマトに含まれる匂い成分のヘキサナール(若草っぽい匂い)が、魚臭さをマスキングしてくれるのだ。

 ヘキサナールは生のトマトに多く含まれているので、スライスしてサンドイッチにすると効果が分かりやすい。ただし注意が必要なのは、生のトマトは水煮の魚缶と相性が悪いということ。水煮は水と塩だけで調理しているから、魚の青臭い匂いがダイレクトに出やすく、ヘキサナールを組み合わせると逆に青臭さを強調するように思えるのだ。なので、生のトマトはオイルサーディンやアヒージョなど、油を使って匂いがマイルドになった魚缶と合わせるのが良い。

 一方、加熱したトマト(トマト缶含む)はヘキサナールが減少するので、水煮の魚缶と合わせてもケンカしない。例えば、サケの水煮をトマト缶と合わせて煮込むと、臭みも出ずにおいしく仕上がりますぞ。