■甘えん坊の赤ちゃんたちの激萌え姿に胸キュン!

親鳥にくっついて泳ぐ赤ちゃん。決して離れることはありません

 一週間後に行ってみると、かわいらしい赤ちゃんが2羽、親鳥と元気に泳いでいました。巣には5個卵があったのですが、残念ながら2個しか孵化しなかったようです。

「ボクも背中に乗せてよ~!」
甘えん坊の赤ちゃん2羽をおんぶして泳ぐ親鳥。一生懸命子育てをしています

 カイツブリは赤ちゃんをおんぶすることでも有名です。しばらくすると、1羽の赤ちゃんが親鳥の背中に乗りました。たまらず、もう1羽がピーピー鳴きながらアピールします。とは言っても、親鳥は、赤ちゃんが背中に乗るのを助けることはしません。赤ちゃんが自力で乗らなければなりません。その後、2羽とも仲良くおんぶしてもらうことができたようで、ほっと一安心です。

親鳥の背中ですやすや眠る赤ちゃん。人間の赤ちゃんを見ているかのようです

 気が付くと、一羽がぐっすり眠ってしまったようです。少し泳いだだけで疲れてしまったのでしょう。親鳥の背中ほど安心できる場所はありません。人間の赤ちゃんと同じですね。

 ところで、カイツブリは雌雄同色のため、その識別は困難とされています。しかも、雌雄で協力して子育てをするのです。ですから、抱卵も赤ちゃんのおんぶも父親がイクメンぶりを存分に発揮しているはず。ジェンダーに支配されがちな筆者には、つい「お母さんにおんぶされる赤ちゃん」の印象が強すぎて、父親の活躍がイメージしづらいのが申し訳ないところです。カイツブリを見ながら、夫婦観を見直さなきゃ、と一人静かに反省します。

親鳥からエビをもらう赤ちゃん。もう1羽のヌクヌク赤ちゃんもキュートすぎます!

 餌をとってくるのも共同作業。私が見ている限り、餌は全てエビでした。小さなエビも、赤ちゃんにはまだ大きいようで、何度もくわえ直しては優しく口元に運んであげていました。

頭だけおんぶしてもらうのがやっとになるほど大きくなりました

 さらに一週間後、再び池を訪れると、赤ちゃんは順調に育っていました。体が大きくなり、もう体ごとおんぶしてもらうことは難しいようです。それでも、甘えん坊度は変わらず。親鳥の羽の下になんとか頭だけでもと潜り込ませていました。

 赤ちゃんが親鳥から独り立ちするのは、生まれてから60日くらい後のこと。まだまだ先は長いですが、餌のとり方や外敵からの身の守り方をしっかりと学び、立派な大人に成長してほしいと願っています。