■溶岩原の上を歩こう

「溶岩なぎさ遊歩道」入口(撮影:金子美也子)

 「溶岩なぎさ遊歩道」は、「桜島溶岩なぎさ公園」と「烏島(からすじま)展望所」を結ぶ全長約3kmの、溶岩原の上を歩く遊歩道である。

 この辺りはもともと海だったが、大正の噴火で流れた溶岩によって埋め立てられた溶岩地帯である。何もなかった溶岩原の上に少しずつ植物が育ち、今では豊かな松林となる自然のたくましさを感じることができる散策道だ。

溶岩を間近に見ながら歩く(撮影:金子美也子)
溶岩が広がる海沿いの道を歩く(撮影:金子美也子)
道沿いには目安となる標識が立っている(撮影:金子美也子)

 休憩できるベンチやトイレもあり、道は舗装されていて勾配もないので歩きやすい。途中の展望台から望む桜島と遊歩道の脇に見られる溶岩を見て、当時の噴火の威力を感じることができる。

遊歩道から眺める入り江と、その後ろに桜島(撮影:金子美也子)

 遊歩道は一般道と合流し、ゴールである「烏島展望所」に到着する。もともとは「烏島」という島だった場所である。

 「桜島溶岩なぎさ公園」までの復路は、再び遊歩道を戻ってもよいが、道路沿いを歩いた方が早い。「桜島溶岩なぎさ公園」には無料の足湯もあるので、フェリー乗船まで時間に余裕があれば、疲れた足を癒してもよいだろう。

●【MAP】 溶岩なぎさ遊歩道 鹿児島県鹿児島市桜島横山町

●【MAP】 桜島溶岩なぎさ公園&足湯 鹿児島県鹿児島市桜島横山町

■魅力たっぷりの「桜島」へ

雄大な桜島(撮影:金子美也子)

 今回紹介した桜島には、約3,500人の住民が火山と共に暮らしている。活発に噴火活動をする桜島だが、火口から2km以内は常に立入禁止となっており、観光施設は全て2.5km以上離れているため、安全に観光することができる。

 筆者は何度も噴火を体験しているが、火山灰が5〜10分程度降るだけで、身の危険を感じたことはない。火山灰は風向きにもよるので、事前に天気予報で桜島上空の風向きを調べてもよいだろう。

 今回は「3時間」で回れる観光スポットを紹介した。ぜひ、桜島に訪れてこそ見られる風景や非日常を体験しに訪れてほしい。

 

今回のコース
桜島港→(車で15分)→湯之平展望所→(車で15分)→道の駅「桜島」火の島めぐみ館→(車で5分)→溶岩なぎさ遊歩道→(徒歩45分)→烏島展望所→(徒歩30分)→溶岩なぎさ公園→(車で5分)→桜島港

※この記事の情報は2024年5月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。