■撮影マル秘テク3 主役にきっちりピントを合わせる

手前右側の花にピントが合っていなかった残念な1枚

 主役の花は1輪とは限らない。写真をパッと見たとき主役となる花全体にピントが合っていないと残念な写真になるので、十分気をつけたい。ピントは補正が効かず、どんなに他の部分がよくてもボツ写真になってしまうのだ。

 シャッターを押す前に一呼吸置いて、ピントを確認してからシャッターを押す。基本だが、極めて重要な作業だ。

花は輪郭と「シベ」にピントを合わせよう

 一眼レフやコンパクトデジカメには「F値」という数字があり、数値が小さいとピントが合う範囲が狭く、数字が大きくなるごとに、ピントが合う範囲が増える。ポイントとなる花がぼやけないように「F値」を設定しよう。スマホの場合は「F値」は設定できないが、ピントを撮影したい花に合わせて、画面を長押しするだけで基本OK。 

 ふんわりとした写真を撮りたいからと、F値を最小数値に設定して撮ると、ほぼ全てがぼやけて何を撮ってるのかわからない写真になるときもある。主役の花にピントをしっかり合わせよう。

■撮影マル秘テク4 意外と重要な花を生かす背景づくり

白い花を引き立てるために、暗い背景をベースにまとめた1枚

 花が主役の場合、花を引き立てる背景づくりは大事な作業だ。写真を見た時に目線が花にいく状況を作り出すことに注力したい。

 白い小さな花なら、暗いモノトーンを背景に合わせると、ぱっと明かりが灯るような美しさを写真から感じることができる。

 逆に紫などシックな色あいの花は、春なら新緑と青空で清々しく仕立ててもいいが、霧の中に浮かぶようなドラマチックな写真も味があってよい。

背景が目立つと花に目線がいきにくい例

 きれいな花を見つけ「写真に収めるぞ」と思ったら、さまざまな角度からカメラを構え、背景のバリエーションを試してほしい。

 上から撮ったり下から撮ったり、近くから撮ったり遠くから撮ったり。花を生かす背景をいろいろ選ぶと、花はきれいにカメラに収まってくれる。

■映え撮影テクニックで思い出に残る一枚を残そう

丹沢檜洞丸のまぶしいシロヤシオ

 今回は「映える写真のコツ」を紹介した。筆者も納得する写真はなかなか撮れないのが現実で、だからこそ思い通りの1枚が撮れたときは今でも心が踊る。

 この記事をヒントに、読んだ方の写真が一味違うものになったらうれしい。春は花も、緑も美しい。その姿をカメラやスマホで残して、数年後その写真を眺めながら、「ああ、この時楽しかったな」と、ニマニマしてほしい。