■東京ドーム約17個分に相当する広大さ
その後数世紀に渡って公園の拡張や改造が続いたが、時代の変化とともに一貴族の庭園として維持していくことが困難となり、1901年に国によって買い取られた。その後、1903年にローマ市に引き渡され、以後、ボルゲーゼ公園はローマ市民の憩いの場として一般市民に開放されるようになった。約80ヘクタールという面積は、東京ドーム約17個分に相当する広大さだ。こんなに広い庭園の隅から隅まで、大貴族であったボルゲーゼ家の人々が歩いたとは思えないが、彼らが贅を尽くして各時代の巨匠と呼ばれる建築家や芸術家に庭づくりを依頼してくれたおかげで、今日、私たちがその恩恵を享受できているというわけだ。
ただ歩いているだけでも贅沢な気分が味わえるボルゲーゼ公園だが、敷地内にはぜひとも訪れたいスポットがいつくかある。ボルゲーゼ美術館やピンチョの丘、ローマ動物園などはローマ市内でも指折りの観光スポットとして様々な場所で紹介されているので、ここではそれ以外の見どころとおすすめスポットをいくつかご紹介しておこう。