■まるで城跡探検の剣尾山
戦国時代、剣尾山山頂付近にあった「月峰寺」には、戦うお坊さんたちがいたらしい。そして、丹波の豪族である波多野氏に攻め落とされて全焼。その後、戦国武将 三好長慶(みよしながよし)により再興された。
しかし江戸時代前期、「月峰寺」は山麓の大里集落に移転。山の上の「月峰寺」は廃寺となった。剣尾山登山道の7合目から頂上付近にかけては、その「月峰寺」跡を歩くルートである。
登山道周辺には石垣や柱の土台となる「礎石(そせき)」、「石仏」がいたるところにあり、当時の寺院の様子が思い浮かぶ。特に斜面一帯に広がる無数の「曲輪(くるわ)」跡の保存状態がよく、まるで城跡探検をしているような雰囲気が味わえる。「曲輪」とは、城の中にある平らな区画のこと。「曲輪」は時代が下ると、本丸や二の丸等のように、「○○丸」と呼ばれるようになる。
山頂は眺望がよい大岩が散在する場所だ。その大岩の中には、よく見るとうっすらと文字や仏様が彫ってあるものもある。誤って踏んで仏罰を受けないよう、注意が必要だ。
■剣尾山登山口へのアクセス方法
最寄りのバス停は阪急バス「能勢町宿野(しゅくの)停留所」。能勢電鉄「山下駅」からバスで約30分である。
「能勢町宿野停留所」から登山口までは約3.5kmで、徒歩で約1時間かかる。帰路は下りなので、約45分で戻ってこられるだろう。
なお、「山下駅」~「能勢町宿野停留所間」のバスの本数はかなり少なめ。「能勢町宿野停留所」から「山下駅」までは11kmあるので、行きはもちろんのこと、帰りのバスの時間も事前に確認しておこう。