■まるで城跡探検の剣尾山

剣尾山。「月峰寺」の遺構が7合目辺りから山頂付近まで続く(国土地理院地図より引用)
剣尾山登山道にある不動明王の摩崖仏
剣尾山の「月峰寺」跡の石垣

 戦国時代、剣尾山山頂付近にあった「月峰寺」には、戦うお坊さんたちがいたらしい。そして、丹波の豪族である波多野氏に攻め落とされて全焼。その後、戦国武将 三好長慶(みよしながよし)により再興された。

剣尾山の「月峰寺」跡の「曲輪」と柱の土台となる「礎石」
剣尾山の「月峰寺」跡。「曲輪」がはっきり残っている
剣尾山登山道。行者山から剣尾山への縦走路との合流地点

 しかし江戸時代前期、「月峰寺」は山麓の大里集落に移転。山の上の「月峰寺」は廃寺となった。剣尾山登山道の7合目から頂上付近にかけては、その「月峰寺」跡を歩くルートである。

剣尾山の「月峰寺」本堂跡
剣尾山山頂

 登山道周辺には石垣や柱の土台となる「礎石(そせき)」、「石仏」がいたるところにあり、当時の寺院の様子が思い浮かぶ。特に斜面一帯に広がる無数の「曲輪(くるわ)」跡の保存状態がよく、まるで城跡探検をしているような雰囲気が味わえる。「曲輪」とは、城の中にある平らな区画のこと。「曲輪」は時代が下ると、本丸や二の丸等のように、「○○丸」と呼ばれるようになる。

剣尾山山頂の岩に残る文字
剣尾山山頂の岩に仏様が彫ってあるのがうっすらわかる
剣尾山山頂を見渡す

 山頂は眺望がよい大岩が散在する場所だ。その大岩の中には、よく見るとうっすらと文字や仏様が彫ってあるものもある。誤って踏んで仏罰を受けないよう、注意が必要だ。

■剣尾山登山口へのアクセス方法

能勢電鉄山下駅からバスで剣尾山最寄りの「能勢町宿野停留所」へ向かう
剣尾山最寄りの「能勢町宿野停留所」
剣尾山山麓に移転した現在の「月峯寺」

 最寄りのバス停は阪急バス「能勢町宿野(しゅくの)停留所」。能勢電鉄「山下駅」からバスで約30分である。

 「能勢町宿野停留所」から登山口までは約3.5kmで、徒歩で約1時間かかる。帰路は下りなので、約45分で戻ってこられるだろう。

 なお、「山下駅」~「能勢町宿野停留所間」のバスの本数はかなり少なめ。「能勢町宿野停留所」から「山下駅」までは11kmあるので、行きはもちろんのこと、帰りのバスの時間も事前に確認しておこう。

●【MAP】剣尾山

●【MAP】月峰寺本堂跡

●【MAP】剣尾山登山口

●【MAP】月峯寺

●【MAP】阪急バス能勢町宿野停留所

●【MAP】能勢電鉄山下駅