■夏沢峠から硫黄岳山頂へ。森林限界を超えた登山道は絶景が広がる

夏沢峠から望む硫黄岳。ここからはピッケルを片手に山頂を目指す

 夏沢鉱泉までは静かな樹林帯だったが、夏沢峠まで来ると景色がひらけ、目の前に硫黄岳を望むことができる。ここから硫黄岳までは森林限界を超えるので、今回のルートの中では一番緊張する区間となる。

 鎖場などの危険箇所はないものの、岩の上に雪が積もったゴツゴツとした岩場もあり、慎重に歩きたい。また夏沢峠からは森林限界を超え、急峻な道が続く。さえぎるものがなくなるため、転倒などしないよう注意したい。硫黄岳は風が強い山としても知られているので、天候のチェックも忘れずにしておこう。

■山頂で待つ圧倒的なスケールの景色

初めて冬山に登頂した筆者。圧倒的な景色にすっかり虜になったしまった

 夏沢峠から1時間15分で、山頂に到着。山頂では期待以上の絶景が迎えてくれる。南側には赤岳、阿弥陀岳など八ヶ岳を代表する山々を望み、北には飛弾山脈(北アルプス)を望むこともできる。360度の大パノラマが広がり、ダイナミックな風景を満喫することができた。

 山頂エリアは広大なスペースがあるので、気に入った景色を見つけてゆっくりとすることができる。

広大な山頂エリア。筆者が訪れた時には常に強風が吹き荒れたいた

 硫黄岳は「爆風地帯」としても知られており、強風が吹き荒れることが少なくない。硫黄岳に出かける前には天気のチェックは入念にしてから出かけたい。

■雪山チャレンジに向けての足慣らしをしてから出かけよう

標高2,760mから望む絶景。スケール感に圧倒される

 雪山にチャレンジする前には、近所の低山などで足慣らしをし、アイゼンの装着などの練習をしっかりと行ってから出かけたい。 

 雪山登山は雪崩などのリスクもあり、スキルも要することから簡単には行くことができない。難易度は低くはないが、冬に見ることのできる景色は夏とはまた違った魅力がある。自分自身で登頂し、圧倒的な景色を見れば、きっとあなたも虜になってしまうだろう。

 

【登山ルート】
桜平「中」駐車場⇒(15分)⇒桜平ゲート⇒(40分)⇒夏沢鉱泉⇒(1時間30分)⇒夏沢峠⇒(1時間15分)⇒硫黄岳⇒(45分)⇒夏沢峠⇒(55分)⇒夏沢鉱泉⇒(25分)⇒桜平ゲート⇒(15分)⇒桜平「中」駐車場

【アクセス】
中央自動車道・諏訪南ICより39分(21km)

●【MAP】桜平「中」駐車場