春の足音が聞こえ始め、そろそろロードバイクで出かけたくなる人も多いだろう。春先のサイクリングは少し冷んやりとした空気と暖かな日差しが心地よく、なんともいえない幸福感が味わえる。
しかし、冬の間に眠らせていたロードバイク。メンテナンスなしでいきなり走り始めるのはかなり危険。長期保管の間にパーツが劣化し、動きが悪くなっていたりするからだ。
今回は、事故回避の観点からも絶対押さえておきたいロードバイクの3大必須メンテナンスについて解説する。
メンテナンスはプロに依頼するのが間違いないのだが、ロードバイクの勉強も兼ねて、一度自分の手を動かして作業することも大切なので、覚えておいてほしい。
■作業前の準備
下記にメンテナンスに最低限必要な道具を示しているので、参考にしてほしい。
1. フロアポンプ(スポーツ用であればフレンチバルブ対応のもの)
2. チェーンルブ(自転車用のオイル)
3. チェーン洗浄用の洗剤
4. チェーン洗浄用のブラシや洗浄マシン
5. ウエス(機械油の拭き取りに使用する専用の布)
6. スタンド
ライトやスマホスタンド、ボトルなどが装備されている場合は、作業前に取り外しておこう。
■事故回避のための3大必須メンテナンス
冬眠明けロードバイクで必ずやっておきたい、3大必須メンテナンスを紹介する。今回は初心者向けに、最重要ポイントを下記の3点に絞ったので、忘れずにメンテナンスしてほしい。
1. タイヤ
2. チェーン
3. ブレーキ
●メンテナンス① タイヤ
まずはタイヤに空気を入れる。ポンプヘッドは、バルブに対して垂直に真っ直ぐさすのがコツだ。
タイヤやローディーの体重によって適切な空気圧が異なるため、タイヤの側面に印字されている値をチェックしよう。「bar」と「psi」はいずれも空気圧の単位で、どちらで管理しても問題ない。
「psi」とは、Pounds Square Inchの略称で1インチあたりの重さ(ポンド)を表しており、ヨーロッパで主流の単位。一方「bar」は主にアメリカで使用される単位で、1bar = 14.5psiと変換可能だ。
タイヤに表示されている空気圧の値を参考に、フロアポンプのエアゲージを見ながらポンピングしよう。なお、タイヤに記載されている「6・9」とは、「6〜9」という範囲を表している。
筆者は、タイヤと地面の接地が少ない方が乗り心地よく感じるため、表示されている範囲の最大値である9barまで空気を入れることが多い。
次に、タイヤを回転させながら、表面にクレバスのようなひびが入っていたり、溝がないかをチェックする。
タイヤのひび割れは、冬のあいだ低温に晒されることでゴムが硬化し、弾力性が低下することなどが原因で発生する。放置したまま乗り続けると、突然のパンクなど重大事故の発生に繋がり危険なので必ずチェックしたい。
もし、ひび割れや穴を見つけた場合は、タイヤやチューブの交換が必要だ。自分でできない場合は、専門店に相談、依頼するといいだろう。