愛媛県と高知県の県境にそびえる、西日本最高峰の霊山・石鎚(いしづち)山脈。その尾根沿いに27kmの長さにわたって延びるのが、通称「UFOライン」と呼ばれる町道瓶ヶ森林道(ちょうどうかめがもりりんどう)だ。

 最高標高1,982mにも及ぶ石鎚山脈の年間平均気温は3.9度。そのため、UFOラインは例年12月〜4月は道路凍結のため冬季閉鎖されているが、2023年4月7日に閉鎖が解除され、徐々に人々が訪れはじめている。 

 毎年この時期を待ち望んでいるリピーターも多く、筆者もそのひとり。人々はなぜUFOラインへ幾度となく訪れるのか。その全貌と、リピーターが魅了される特異な神秘的魅力について紹介する。

 なお、筆者は高知県吾川郡いの町にある「道の駅木の香」をスタートし、自身のロードバイクでUFOラインを目指してヒルクライムに挑戦した。

UFOラインへとつながる新緑の町道瓶ヶ森林道(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
入山してから約1時間林道をヒルクライム。標高1,300m地点で、ようやくUFOラインの文字を発見。スタートからすでに600m登ったことになる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

■「UFOライン」という愛称

稜線に沿って延びるUFOライン。山頂上空にUFOが現れそうな雰囲気だ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 町道瓶ヶ森林道は2018年に某自動車CMに起用されたことで一躍有名となり、写真映えする絶景を求め、ドライブやツーリングなどの来訪者が後を立たない。

 「UFOライン」というキャッチーな愛称も人々の興味を引く一助に。元々「雄大な峰が続く道」という意味から、地元では「雄峰(ゆうほう)ライン」と呼ばれていた。

 しかし、登山者が撮影した雄峰ライン上空の写真にUFOらしきものが写ったことをきっかけに、今では「UFOライン」と呼ばれるようになった。

 石鎚山脈を見下ろす標高1,690mの高さに延びる一本道は、まさに天空の絶景ロードだ。神秘的な雰囲気を持つそれからは、UFOが現れるというウワサも信じてしまいそうになる。