東京都にある日本有数の大自然を感じられる場所「伊豆大島」。今回は1泊2日の旅程で島を訪れた際、初日に愛車のグラベルロードバイクで行った「三原山」と「裏砂漠」のレポートを写真と共にお届けする。

■伊豆大島とは

 伊豆大島は都心から南に120km進んだ洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島で、東京都に属している。大きさは周囲52km、面積は約91平方kmで、原付バイクであれば半日、自転車でも1〜2日あれば、島を一周して観光ができる。

 伊豆大島は火山島で、中央に活火山の「三原山」がある。三原山の標高は764mで、昔から「御神火(ごじんか)様」と崇められている、信仰の山だ。

 島の東側には「裏砂漠」と呼ばれる噴火でできた黒い火山岩が一面に広がる場所があり、国土地理院が発行する地図に唯一「砂漠」と表記されている。

●伊豆大島のおすすめは秋!

 伊豆大島のおすすめの季節は、ずばり秋!  理由は以下の3つ。

・10月後半以降は気候が安定していて、秋晴れの日が多い
・空気が澄んでいて霞(かすみ)がないため、遠くまできれいに見える
・気温が15〜18°Cでサイクリングやトレッキングにちょうどよい

 海水浴はできないが、汗を流す運動をするには一番気持ちのよい時期だ。今回は夏に訪れたのだが、サイクリングや登山をするには暑くハードであったのと、2日目は終日雨が降ったため、やはり秋が最適ではないかと感じた。

■岡田港からサイクリング、スタート!

愛車のグラベルロードバイク。悪路でも走れる太めのタイヤを履いている(撮影:酒井 天里)

 港区の「竹芝客船ターミナル」を22時に出港し、早朝6時に伊豆大島に到着。伊豆大島には出帆(しゅっぱん)港が2つあり、到着日の朝、天候によって「元町港」か「岡田港」のどちらかに決まるのだが、この日は岡田港となった。

 船に乗せるためにバラしていた自転車をさくっと組み立て、いざ伊豆大島サイクリングに出発だ。まずは島の中心に位置する「三原山」の登山口を目指すことに。

 岡田港から登山口までの道は勾配がキツく、ギアを一番軽くしないとペダルを漕ぐことができない。そのため小休憩を何回か挟みつつ、ゆっくりと進んだ。

●岡田港ターミナル

住所:〒100-0102 東京都大島町岡田

島ならではの舗装されていない道(撮影:酒井 天里)

 スマホのナビで最短ルートに設定していたら、未舗装路に誘導されてしまう場面も。木漏れ日がきれいな静かな道だったが、苔でスリップしそうでヒヤヒヤした。そして、再び舗装路に合流したのち、標高を少しずつ上げていくと「新火口展望台」に到着した。

「新火口展望台」から見る三原山の風景(撮影:酒井 天里)

 ここまで来るのはかなり大変だったが、目の前に広がる三原山の雄大な風景に疲れがふっとんでしまった。展望台の名前の通り、1986年に新たに噴火した火口をここから眺められる。

三原山の反対側からは、元町と青い海に浮かぶ伊豆半島が見える(撮影:酒井 天里)

 反対側の眼下には元町の街並みと、その先に伊豆半島が見える。空気が澄んでいる秋や冬であれば、富士山が見える日が多いそうだ。汗ばんだ身体に吹く風が気持ちよかった。

●新火口展望台

住所:〒100-0101 東京都大島町元町