■夜は星空を眺めよう! でもその間にも……
陽が落ち辺りも暗くなり、気づけば気温はマイナス9℃。天気もよく、空を見上げると星が大きく見えた。
まず目に入ってきたのはオリオン座。オリオン座の左上部分、明るく赤い星がベテルギウスだ。その真下の明るい星がおおいぬ座のシリウス、ペテルギウスとシリウスの中間の高さを左側に進むと見える明るい星がこいぬ座のプロキオンだ。
この3つを線で繋ぐと「冬の大三角」となる。この大きな正三角形は代表的な冬の星座で、これを目印にふたご座やおうし座を探すのも楽しい。没頭しているとすぐに時間が経ってしまう。
夢中になって星空を見上げていたため、気づいたらウイスキーの水割りが凍結し、ただの茶色い塊になっていた。凍りついて全然飲めない。少しでも油断をすると何でも凍っていく、雪中キャンプあるあるだ。
■室内外の温度差は40℃! テントの中は暖かい
外気温はマイナス13℃だが、灯油ストーブのおかげでテント内はプラス15〜30℃と暖かい。夕飯は北海道らしさで選んだ「ホタテ毛がに焼売(長万部産)」と「チーズカレー鹿まん(鵡川産)」。両方メスティンで蒸して食べたが、ボリューミーなのにふわっとした仕上がりになって大満足。
体の内側からも温まったところで夜のお楽しみ、仕掛けておいたアイスキャンドルを開けてみた。
凍結が不完全だったのか、牛乳パックから取り出した際に一部が欠けたが、炎のゆらめきとクリアな氷の美しさが印象的だった。何本も用意して並べたら、美しさも倍増しそうだ。
夕飯を食べ終わり、食器を洗いに行くことに。テントの中は暖かかったが、前室は冷えきっていたようで、食事に使ったメスティンが凍るのは想像してたが、洗剤までも凍結するという予想外の事態に見舞われた。蓋を外し固まった洗剤を取り出し、なんとか片付け終了。本当になんでもすぐ凍ってしまう。
■どんどん凍る、なんでも凍る。これが氷点下2桁の世界
翌朝の外気温はマイナス11℃だが、テントの中はマイナス3℃。テント内は思ったよりも冷えておらず(とは言っても寒いのだが)、「おっ? 楽勝じゃん!」と思ったのも束の間。凍らせないための装備であるクーラーボックスの食材たちがどれも凍結してしまった。
クーラーボックスを過信してテントの前室に置いていたことが原因と考えられるが、安物クーラーボックスでは断熱性能も足りなかったようだ。
ペットボトルの水は当たり前として、他のものは桃の缶詰、プリン、食用油などなんでも凍ってしまった。テント内側の結露も当然のように凍ってしまった。
ストーブに火をつけ、テント内を13℃くらいまで暖かくした。冷えた体で考えるのは帰りに寄る温泉のこと。温かい紅茶を楽しんだあとは、寒さを無事に乗り切った達成感に満足しつつ、帰り支度を終えた。
■何でも凍るけど、その全てが楽しい雪中キャンプ
冬キャンプは装備が増え大掛かりになるため、ハードルが高く感じるだろう。だが、ストーブや冬シュラフのレンタル品を用意しているキャンプ場も増えているので、近くのキャンプ場でも挑戦できるかもしれない。
雪中キャンプなら尚更GOOD! 冬でしか味わえない寒さと達成感を知るために、新たなキャンプに挑戦してはいかがだろうか。