登山というと、高い山や遠い山に行かなければならないと思われがち。しかし、実は身近な低山にも魅力的な登山コースはある。

 今回紹介するのは兵庫県加東市(かとうし)にある「五峰山(ごぶさん)光明寺」と「扇山(おうぎやま)」から「角尾山(つのおざん)」への縦走登山。このコースは距離が長くアップダウンはあるが、難易度の低い初心者向きである。

 登山ビギナーを卒業し、少し登山に慣れてきた方に最適なコースである。

五峰山光明寺から扇山、扇山から角尾山への縦走路(国土地理院地図より引用)

■山頂に広大な敷地を持つ五峰山光明寺

光明寺駐車場から播磨平野を望む
光明寺駐車場から光明寺へ
光明寺内前半は急登が続く

 五峰山光明寺は、別名「播磨高野(はりまこうや)」と呼ばれる真言宗の古刹。五峰山山頂に広大な敷地を持つ。寺内の標高は170〜240mくらい。

 光明寺は室町時代初期に勃発した足利幕府の内紛、「感応の擾乱(かんのうのじょうらん)」における光明寺合戦の舞台となったところだ。五峰山は、「宿尾(ふとお)」、「明星が辻」、「経(きょう)の尾」、「大岩」、「弥木揚(やきあがり)」の5つの峰からなり、それが光明寺の山号の由来となっている。

「狭間(さま)」と呼ばれる弓で攻撃するための穴が塀に空いている光明寺
光明寺中心部
光明寺中心にある防火水槽も風情がある

 光明寺の駐車場から本堂までは約1㎞。寺の中心までは急登が続く。中心部は田舎の集落のようで懐かしい雰囲気が漂う。光明寺の駐車場は展望台になっており、播磨平野が見渡せるドライブスポットとしてもおすすめ。電車で行く場合は、五峰山のすぐ下のJR滝野駅から歩いて1.8km、徒歩約25分だ。なお、光明寺から眺望は望めない。

まるで田舎の集落のような雰囲気の光明寺
光明寺本堂の階段下が登山道入口
光明寺本堂の裏にある光明寺合戦本陣跡の碑が、すぐに本線と合流する支線入口

 登山道入口は、光明寺の一番奥にある本堂前の階段の下。本堂の裏にある光明寺合戦本陣跡の碑から登山道の支線に入るが、すぐに本線と合流する。

●【MAP】光明寺駐車場

●【MAP】光明寺本堂

●【MAP】光明寺城跡(光明寺合戦本陣跡)

●【MAP】滝野駅