赤穂浪士で有名な兵庫県赤穂市には、雄鷹台山(おたかだいやま)という低山がある。雄鷹台山は標高253mと高くはないが、山頂からの展望はかなり良い山だ。
山頂からは、赤穂市街地と瀬戸内海を一望できるだけでなく、小豆島や家島諸島、鹿久居島(かくいじま)などの島々も見渡せる。天気がよければ、相生湾(あいおいわん)や姫路市街地、明石大橋、さらには四国まで遠望できるというから驚きだ。
この雄鷹台山の登山口は、JR播州赤穂駅北口から400m、徒歩5分のところにある。山頂まで往復しても1時間半前後。登山道もしっかり整備されているため、登山初心者はもちろん、出張や観光で赤穂を訪れた人が、朝食前の朝の散歩で訪れることも多いという。
■雄鷹台山山頂へ
今回、赤穂を訪れた筆者は、雄鷹台山の早朝登山を試みた。
雄鷹台山の登山口は階段から始まる。階段を上り切ると大師堂があり、そこから尾根伝いに延びる石段を上っていく。朝の散歩で雄鷹台山に登る地元の方とも多くすれ違った。
登山道は数百mごとに何合目という案内板があって迷う心配はない。また、地元の方々も気軽に声をかけてくださり、安心感もあった。登山道前半は、お地蔵さまが並ぶ地蔵道。そして、登山道のほとんどが眺望抜群だ。
ただ途中の景色を楽しむのは振り返らなければならない。したがって一気に頂上まで登ってから、眺望を楽しみながら下山するほうが、雄鷹台山をより楽しめるように感じた。
■雄鷹台山山頂の展望
登山道もずっと眺望はよかったが、やはり山頂の景色は最高だった。
山頂には木が少ないため、視界が180度広がっている。真下には赤穂の市街地が広がり、奥には瀬戸内海に浮かぶ小豆島や家島諸島、鹿久居島などの島々。さらに奥にはうっすらと四国も見えていた。東側の山の間からは、相生湾や姫路市街地、明石大橋も遠望でき、低山ながら驚きの展望である。また、早朝登山であったため山頂を照らす朝日が美しく、けっこう長居してしまった。
なお、登山口から雄鷹台山山頂までは40~50分で登頂できる。しかし、帰路はダイナミックな景色を眺めながらの下山となるため、歩みがどうしても遅くなってしまう。普通に歩けば30分くらいで下山できる道程だが、下山も40~50分かかると思っていたほうがよいかもしれない。
雄鷹台山は駅近で手軽に登れる絶景の低山だ。今回筆者は初めて訪れたため、万一に備え、比較的重装備だったのだが、それを見た地元の方々が「大げさだ」と笑っていたくらいである。
ともあれ山である以上油断禁物だが、赤穂を訪れた際はぜひ雄鷹台山を訪れてみよう。すごくおすすめである。