■やらなかったために失敗したこと

 この初ソロ登山では、雨で自分以外に登山者もなく、一歩間違えば遭難していたかも知れないと感じた。事前に情報収集はしていたが、自分がこのような体験をするとは思ってもいなかったので、遭難した際のツェルトや食料などの準備もおろそかになっていた。

 この久住山における初の登山を前にやるべきだったことを3つ列挙する。

●登山アプリをスマホに入れておく&地図を持っていく

 GPS付きの登山アプリをスマホにダウンロードしておくことが必要だった。これをしておけば視界の悪い中でも自分の位置を把握することができた。

 また、併せて地図を携帯することも必須だ。スマホの充電が切れてしまうと、アプリが使用できなくなるためだ。

●登山届を提出する

 登山届を提出することが必要だった。万が一遭難した際に、自分を捜索してもらうための手がかりになるからだ。現在は前述したスマホアプリと連携して、登山計画を作成すると登山届を一緒に警察や自治体に提出する機能もある。対応している届け先は限られているので、調べて使用すること。

●雨具を用意しておく

 そもそも初心者のうちは雨の日に登山をしない方がよいだろう。ただ、晴れていたとしても山の天気は変わりやすいので、突然の雨に備えて雨の日用のレインウエアなどの雨具を必ず用意しておく。防水性能のないウインドブレーカーでは代用にならない。

■準備しすぎることはない

下山時には晴れてきて久住山も見えた(撮影:川内 勇貴)

 登山では環境の変化に対応しないといけないので、道迷いや行動不能になった際の備えや、気温の変化や天候の悪化など、どんな状況にも対応できるような装備で臨まなければならない。登山のための装備はここで挙げたものだけではないので、各自ネットの情報だけでなく専門書で調べたうえ、または登山をしている人に話を聞くなど、しっかり準備して登山に臨んで欲しい。

 筆者はこの久住山での初登山で、自分の身を守るのは自分の知識と、装備だけであることを改めて感じた。筆者の失敗を参考にしていただきたい。