●冬用のガスバーナー・カートリッジ

低温下でも対応できる火器は必須装備

 初めての冬山シーズンで洗礼を受けたのが火器だ。冬でも火力を落とさずに火器を使うには、低温下でも使えるガスカートリッジと、対応したバーナーが必要になる。

 「大した違いはないだろう」と安易に3シーズンで使っていたガスカートリッジを持ち込んだところ、火力が上がらないうえに燃料の消費が激しく、みるみるうちにカートリッジが軽くなっていく。1泊の山行を終える頃にはガスはすっからかんになってしまっていた。

 冬山で火器が使えなくなる心細さを体感し、以降、低温下でも問題のないガソリンバーナーを使用したこともあった。現在は火力調整がしやすく着火までがスムーズに行え、冬でも使えるガスバーナーで落ち着いた。冷えて身体が上手く動かせない雪山でも扱いやすいので気に入っている。

●魔法瓶

重量が増えても持っていきたい魔法瓶

 致命的になることはないが、魔法瓶は冬山では常備して損はないアイテムだ。沸かしたお湯を温かいまま入れておくことができ、都度お湯を沸かす必要がないので燃料の節約にもなる。テント泊で夜中に起きて温まりたい時、すぐにお湯が飲めるのでとても助かっている。

 筆者は時々水筒を忘れてしまうことがあり、冬のテント泊で夜中に湯を沸かそうと寒空の下で火器を使い、余計に身体が冷えてしまった経験がある。

 また、湯気が立ったお湯は見るだけでホッとした気持ちになれる。魔法瓶は冬山登山でぜひ用意しておきたいアイテムだ。

■冬山アイテムは忘れず用意しよう

冬のテント場でくつろぐ

 冬山には、寒さから身を守るウェアから、湯を沸かし保温するアイテムまで幅広い装備が必要だ。

 夏と同じ道具が使えることもあるが、冬用が必要なものは惜しまず用意し、忘れないように出発前の荷物確認を行っておきたい。忘れてしまったり、過信して持って行かなかったりすると、自然の猛威に襲われ、寒さに身を震わせる事態になるかもしれない。

 冬山道具を用意して、安心安全に登山を楽しもう。